【医学部で学ぶということ】クリニカルクラークシップ(循環器内科)
クリニカルクラークシップの二か月目は循環器内科を回りました。
循環器内科は心臓や血管などを治療する科です。
心臓の病気というと、心筋梗塞のように突然心臓が痛くなる病気をイメージするかもしれませんが、大学病院ではそうした突然くる病気だけでなく、心筋症など徐々に心臓が弱ってきてペースメーカー植え込みや心移植などの手術を要する病気も多く扱っています。
循環器内科は内科と名前がついていますが、近年のカテーテル治療の発達により、半分外科みたいな感じになっています。
昔は心臓外科が開胸しておこなっていた手術を、今では循環器内科医が血管内カテーテルで治療できるようになっているのです。
クリクラでは医師数名からなる小グループに配属されて、その先生たちが行う治療や回診に立ち会います。
私のグループは、肺の血管が狭まっておこる肺高血圧症という、比較的珍しい疾患を扱うグループでした。
この病気に対しては、肺の血管をカテーテルで広げる手術を行います。日本で最近考案された非常に治療効果が高い治療法です。
治療前は肺の血流不足で呼吸が苦しかった患者が、血流が回復することによって普通に呼吸できるようになります。
最新の画期的な治療法のため、外国からもしばしば見学に来るそうです。
今回のクリクラでは、運よく心臓移植も見学することができました。
心臓は取り出してから4時間ほどしかもたないので、飛行機で運んできて、心臓外科医が時計を見ながら急いで手術をします。
今回の手術でも、ピリピリした空気が伝わってきました。
術式は案外シンプルで、患者の循環を人工心肺に切り替えた後で心臓を取り出し、移植する心臓に置き換えるだけです。
縫合する箇所も少ないので、時間も短いです。いかに素早く正確に手術できるかが勝負であるといえるでしょう。
心臓移植は日本ではまだまだ件数が少なく、うちの大学でも年に数件しかありません。
何年も待ってようやくドナーが見つかるという状況で、待ってる間になくなるケースが後を絶ちません。
幸い件数は増加傾向にあるので、このまま増えていってくれればと思います。
循環器内科は生死に直結する臓器を扱う科だけあって、エネルギッシュな先生が多かったように思います。
熱い志をもった医学生、求ム。
次回は放射線科です。