【医学部で学ぶということ】臨床実習:産婦人科
産婦人科の実習が終わりました。
産婦人科というとエコーを当てて妊婦健診をする様子を思い浮かべると思いますが、大学病院の産婦人科はバリバリの外科で、基本的に何らかの手術によって治療を行います。
産婦人科はこの名前で呼ばれることが多いですが、出産を扱う産科と女性の疾患全般を扱う婦人科が合わさった科です。
産科の患者は妊婦なので若い女性ですが、婦人科は成人の全年齢の女性が対象なので高齢患者もいます。
実習ではそれぞれを1週間ずつまわり、手術や外来を見学しました。
大学病院の産科が扱う症例は、母体に異常がある場合と胎児に異常がある場合に分けられます。
前置胎盤や子宮外妊娠などの異常妊娠は、母体側の異常です。
一方、心奇形や横隔ヘルニアなど胎児に先天異常があり出産後すぐにNICU(新生児集中治療管理室)での治療を必要とする場合もあります。
小児外科の時にも書きましたが、胎児に異常がある場合の分娩では、産科の医師が帝王切開を行う一方で、NICUの小児科医がすぐに挿管等を行えるようにスタンバイしています。
産科の先生曰く、戦いを引き継いでくれるNICUの医師には頭が上がらないとか。
婦人科で多い疾患は卵巣腫瘍や子宮がんです。
どちらも若い女性も多く罹患しますが、大学病院で扱うような悪性の腫瘍は高齢者に多いため、入院患者は高齢の患者が多かったです。卵巣も子宮も生存に必要な臓器ではないため、高齢患者の場合は原則として全摘します。
一方、若年女性の場合はなるべく妊孕性を残したいと考える患者が多いため、摘出する範囲を限定するように努めます。
産婦人科というと激務というイメージがありましたが、大学病院は医師が多いこともあり、そこまでの印象は受けませんでした。
女性医師も多く働いていました。
ただ、一晩に緊急の出産が2回あった日があり、翌朝のカンファで当直医がかなり疲れた表情をしていたことも。。。
今ちょうどテレビでコウノドリというドラマが放送されています。
産婦人科の教授おすすめというので私も見ておりますが、なかなか面白いですね。
次は皮膚科をまわります。