【医学部で学ぶということ】臨床実習:循環器内科
循環器内科の実習が終わりました。
循環器内科と心臓外科は集中治療室(ICU)のすぐ横に部屋があり、われわれ学生もICUと隣り合わせで2週間を過ごしました。
循環器内科はいくつかの小グループがあり、私は不整脈グループとして実習を行いました。
心筋梗塞の後に不整脈を発症した患者さんを担当することになりました。
心筋梗塞は心臓に栄養を送る血管が詰まることにより、心筋が酸欠になって壊死してしまう病気です。
完全に壊死してしまった心筋は動かないのですが、壊死の一歩手前くらいで生き残った心筋は異常なリズムで動くようになり、不整脈の原因となります。放っておくと心臓全体に負担がかかり、他の正常な心筋も弱ってしまい心不全に陥ります。
心筋梗塞を起こしていなくても、年を取ってくると異常なリズムを発生させる心筋がでてくるようになり、不整脈を生じます。
こうした不整脈はカテーテルという細いチューブを足や首の血管から通して、その先の電極で焼くことで治療します。
正常な心筋の邪魔をするくらいなら、焼き殺しててしまえという考え方です。
高温で焼くこともあれば、低温で焼くこともあります。
カテーテル治療は手術の一種ですが、細いチューブを血管から通していくだけなので傷が小さく、出血も少ないため循環器内科の医師が行うことも多い手術です。今回の実習でも指導医が手術するのを見学しました。
(驚くべきことに、局所麻酔なのでカテーテル治療が行われている間、患者さんは意識があります!自分の心臓手術が行われている様子が聞こえるっていうのは、一体どんな気分なのでしょうか?)
今までは心臓の手術といえば胸を開けて行うしかなく、出血も多い大手術でした。
それがカテーテル治療が現れてから、ほとんど出血することなく手術を行うことができるようになり、術後の回復も早くなりました。
内視鏡手術でもそうですが、体を大きく開くことなく内臓の手術をできるようになったことは、非常に大きな進歩だと思います。
次は心臓外科を回ります。