【医学部で学ぶということ】臨床実習:検査部
1週間の検査部の実習が終わりました。
病院では血液検査、X線検査、CT、MRIなど様々な検査を行います。
CTやMRIなどは測定すると同時に機械が結果を出してくれるので、医師はすぐに結果を見ることができます。
しかし血液検査の場合は、事情が違います。
血液検査では赤血球数や血中タンパクや酵素、イオンなどの量、病原体への抗体の有無など、様々な項目を調べます。
これらは基本的にひとつひとつ異なる処理をして測定する必要があります。
つまり採血をして血液サンプルをとった後、そこから血液成分の分析結果を得るためには、試薬を加えて反応を見たり、吸光度を測定したり、多くの処理を行う必要があるのです。
幸い現在はほとんどの処理をロボットが担っており、自動的に試薬を加えて測定をしてくれるので楽ではあるのですが、それでも分析には20~1時間程度かかります。
実習ではたくさんの検査機器が置かれている検査室を見学しました。
ロボットがアームや台座を動かしながら、器用に処理を進めていく様子は見ていて非常に面白いです。
ピタゴラスイッチのようだと言う学生もいました。
ほかにも血液や尿などのサンプルをとり、それを培養してどんな細菌に感染しているのかを調べる部署もありました。
ここでは実験室でやるように地道にシャーレで細菌を培養し、それを顕微鏡でのぞいて診断を下します。
コンピューターの画像認識技術は進んでいますが、まだこの工程を置き換えるほどにはいたっていないようです。
ですが将来は人間が顕微鏡をのぞく必要もなくなりそうですね。
血液検査は臨床において非常に基本的かつ重要な検査です。
普段病棟で実習していると、オーダーして血液サンプルを送ったら、しばらくたったら勝手に結果が出てくるものだと思いがちです。
しかし実は、裏方ではたくさんの作業工程を経てようやく得られる有難い分析結果なのだと感じました。
これまで各科の臨床実習について書いてきましたが、これでようやく終わりです。