初期研修の面接で落ちる原因とは?不採用の理由と改善策

初期研修の面接で落ちる原因とは?志望理由・受け答えの改善策【二次募集にも対応】

CES医師国試予備校|最終更新:2026年11月6日|監修:岩崎 陽一(株式会社アクト 代表取締役)

この記事の要点

  • 初期臨床研修の面接で不採用になっても、原因が面接の受け答えだけとは限りません。応募書類、学業成績、実習評価、志望理由、病院との適合性、募集枠など、複数の要素が関係します。
  • 2026年度のマッチングでは、第1希望のプログラムにマッチしたのはマッチ者の59.0%で、14.2%は第4希望以下でマッチしています。第1希望に届かないことは珍しくありません。
  • 志望理由は「身に付けたい能力」「病院のプログラムの特徴」「自分の経験」の3要素で組み立て、回答は結論から話すと伝わりやすくなります。
  • 不採用が続く場合は、面接練習だけでなく、応募先・書類・志望理由を含めた応募戦略全体を見直しましょう。

1.初期研修の面接で不採用になる原因

初期研修の採用選考では、面接の印象だけでなく、応募書類、学業成績、臨床実習、志望理由などが評価対象となる場合があります。したがって、不採用が続いても「面接が苦手だから落ちた」と断定することはできません。

図1.採用選考に関係しうる主な要素
応募書類
履歴書・志望理由書の具体性、誤字脱字
学業成績
成績証明書、CBTなど(扱いは病院ごと)
臨床実習
実習での経験と、そこからの学び
志望理由
その病院を選ぶ理由が具体的か
面接での受け答え
結論・根拠・具体例の伝え方
病院との適合性
研修方針・勤務条件・将来像との一致
募集枠・応募状況
定員と応募者数の関係(本人では変えられない要素)

当校作成。どの要素をどの程度重視するかは病院によって異なります。

確認項目 見直すポイント
志望理由 病院の特徴との関連
受け答え 結論・根拠・具体例
学業成績 病院の評価基準
実習経験 学びと振り返り
適合性 研修方針・勤務条件との一致

また、マッチングでは第1希望に届かないこと自体が珍しくありません。2026年度の結果を見ると、第1希望でマッチした人は6割弱でした。

図2.希望順位別のマッチ者の割合(2026年度)
第1希望

59.0%(5,278人)

第2希望

16.5%(1,472人)

第3希望

10.3%(917人)

第4希望以下

14.2%(1,272人)

出典:医師臨床研修マッチング協議会「令和8年度 研修医マッチングの結果」(2026年10月22日、厚生労働省掲載)(表3)。割合はマッチ者8,939人に占める比率。

面接の結果を必要以上に自分の能力の問題と受け止めず、改善できる部分(志望理由・伝え方・応募先の選び方)に集中することが、次の選考につながります。全国の統計は「2026年度初期研修マッチング結果」で解説しています。

2.志望理由の改善方法

「教育体制が充実しているから」「幅広い症例を経験できるから」という説明だけでは、ほかの病院にも当てはまる場合があります。志望理由は、次の3つの要素で構成すると整理しやすくなります。

図3.志望理由を組み立てる3つの要素
① 身に付けたい能力
初期研修の2年間で、何をできるようになりたいか
② 病院のプログラムの特徴
公式資料や見学で確認した、その病院ならではの研修内容
③ 自分の経験・将来像
臨床実習などの経験と、目指す医師像とのつながり
▼ 3つを結び付ける
「この病院で研修したい理由」が具体的になる

当校作成。

よくある一般的な表現 具体化した表現(架空例)
教育体制が充実している 1年目から救急外来で初期対応を担当し、指導医が振り返りを行う体制がある
幅広い症例を経験できる 地域の中核病院として、内科ローテーション中に一般的な疾患を数多く担当できる
雰囲気が良い 見学時に、研修医同士が症例を共有するカンファレンスに参加して学びやすさを感じた

右列は説明用の架空例です。実際には応募病院の公式資料や見学で確認した内容に置き換えてください。

回答例(架空の例)

「私は初期研修で、救急外来における初期対応能力を身に付けたいと考えています。貴院の研修プログラムでは救急診療を経験する機会が設けられており、指導医のもとで段階的に学べる点に魅力を感じています。臨床実習で救急診療の重要性を実感した経験を踏まえ、貴院で研修したいと考えました。」

※説明用の架空例です。実際の回答では、応募病院の公式資料で確認した研修内容と本人の経験に置き換えてください。

3.受け答えの型と想定質問

質問には、結論→理由→具体例→まとめの順で答えると、短い時間でも要点が伝わりやすくなります。回答を丸暗記するのではなく、この型に沿って要点だけを整理しておくと、想定外の質問にも対応しやすくなります。

図4.回答を組み立てる4つのステップ
1
結論
質問に対する答えを最初に一文で述べる
▼
2
理由
そう考える理由を1〜2点に絞って述べる
▼
3
具体例
臨床実習などの経験を、状況→自分の行動→学びの順に話す
▼
4
まとめ
その病院での研修にどう生かすかで締める

当校作成。

多くの病院で想定される質問の例

質問の例 確認されやすい観点 準備のポイント
当院を志望した理由は? 研修内容を理解しているか 3要素(能力・特徴・経験)で組み立てる
将来の志望科は? キャリアの見通し 未定でもよい。関心のある領域と理由を話す
臨床実習で印象に残った症例は? 経験を言語化できるか 状況→自分の行動→学びの順に話す
チームで意見が分かれたときは? 協調性・コミュニケーション 実際の経験と自分の対応を具体的に
体調管理やストレス対処の方法は? 2年間の研修を続けられるか 日常の具体的な習慣を挙げる
(二次募集)一次で当院を受けなかった理由は? 志望の真剣度 正直に答え、今回調べて分かった魅力を具体的に伝える

質問内容や評価の観点は病院ごとに異なります。上表は一般的な準備の目安です。

二次募集の進め方全体は「初期研修でアンマッチになったら?二次募集の探し方と応募対策」、日程は「初期研修の二次募集はいつまで?」をご覧ください。

4.オンライン面接の対策

オンライン面接では、話す内容に加えて、通信環境やカメラ位置、声の聞こえ方も印象に影響します。特に重要なのは、回答の内容と伝わり方を分けて確認することです。

確認項目 事前に確認すること
場所 静かで明るい場所を確保する。背景に私物が映り込まないようにする
カメラ カメラを目線の高さに設置し、話すときはレンズを見る
通信・音声 通信環境とマイクの音量を事前にテストする。予備の接続手段も用意する
回答 質問には結論から簡潔に答える。回答を丸暗記せず要点を整理する
練習 模擬面接を録画し、表情・声量・回答の長さを確認する

5.CBTや学業成績は影響するのか

CBTの成績を採用選考に利用するかどうかは、病院ごとの方針によって異なります。CBTのスコアを提出書類に含める病院もあれば、別の選考項目を重視する病院もあります。

そのため、「CBTが低いから不採用になった」「成績が良ければ必ず採用される」といった判断は適切ではありません。応募病院の募集要項を確認し、不明な点は研修担当窓口へ問い合わせましょう。

6.不採用が続いた場合の対応

複数の病院で不採用が続く場合は、面接練習だけでなく応募戦略全体を見直すことが重要です。

1
応募した病院の共通点を整理する
地域、病院種別(市中病院・大学病院)、募集人数、選考方法に偏りがないか確認します。
▼
2
地域や募集人数などの条件を確認する
2026年度の空席の約88%は6都府県以外の41道県、55.2%は大学病院にあります。
▼
3
志望理由と応募書類を再点検する
病院ごとに具体化されているか、誤字脱字がないかを確認します。
▼
4
第三者に模擬面接を依頼する
指導教員や先輩、キャリア支援担当者に依頼し、録画も活用します。
▼
5
大学の指導教員や進路担当者に相談する
推薦や学外の募集情報を得られることがあります。

修学資金制度などに伴う勤務義務がある場合は、研修先との適合性について大学側にも確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q.初期研修の面接で落ちるのは、受け答えが悪いからですか?

A.必ずしもそうではありません。応募書類、学業成績、臨床実習の評価、志望理由、病院との適合性、募集枠など、複数の選考要素が関係する可能性があります。

Q.CBTのスコアは採用に影響しますか?

A.病院の選考方針によって異なります。CBTの成績を提出書類に含める病院もあれば、別の選考項目を重視する病院もあるため、募集要項で確認してください。

Q.オンライン面接は対面より不利ですか?

A.一概にはいえません。病院の評価方法と本人の準備状況によります。通信環境、カメラの位置、声の聞こえ方を事前に確認しておきましょう。

Q.二次募集の面接で、アンマッチになった理由を聞かれたらどう答えればよいですか?

A.言い訳や他院の批判は避け、結果を受け止めていること、振り返って改善したこと、その病院で研修したい具体的な理由を簡潔に伝えると、前向きな印象につながりやすくなります。

Q.二次募集で不採用が続いたらどうすればよいですか?

A.応募先、志望理由、面接、提出書類を総合的に見直しましょう。応募した病院の共通点を整理し、地域や病院種別を広げることも検討します。

Q.修学資金の勤務義務はマッチングや採用に影響しますか?

A.研修プログラムとの適合性に関係する可能性はありますが、個別の不採用理由を断定することはできません。勤務義務がある場合は、応募前に大学や貸与元に確認しましょう。

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執筆・編集:CES医師国試予備校 講師チーム

監修:岩崎 陽一(株式会社アクト 代表取締役)— 医学部・医療系国家試験の受験指導に30年以上携わり、CES医師国試予備校をはじめとする個別指導予備校を運営。

最終更新日:2026年11月6日(掲載データは各出典の公表時点のものです)

参考文献・一次情報