海外医学部から日本の医師を目指すには|受験資格認定・予備試験と在学中の準備
海外医学部を卒業しても、日本の医師国家試験を自動的に受験できるわけではありません。日本の医師を目指す場合は、厚生労働省の受験資格認定制度を確認し、現在の大学での学習と、書類・医学日本語・試験対策の準備を分けて進めましょう。
この記事のポイント
- 受験資格は申請ごとに個別審査され、海外医学部の卒業生に一律に認定されることはありません
- 審査結果は「本試験の受験資格」「予備試験の受験資格」「いずれも認められない」に分かれます
- 日本語診療能力調査では、聴く・話す・書く・読み取る・診察する能力が評価されます
- 履修内容の証明や公的機関による翻訳証明など、在学中から確認したい書類があります
受験資格認定は、一人ひとりの申請で審査される
外国の医学校を卒業した方、または外国で医師免許を取得した方が日本の医師国家試験を受けるには、厚生労働大臣の受験資格認定が必要です。厚生労働省は、申請があった後に本人の能力や受けた教育などを審査し、外国の医学校の卒業生に受験資格を一律に認定することはないと明記しています。[1]
同省は、日本の受験資格が得られると宣伝して入学を勧誘する例があることにも注意を促しています。「この大学なら必ず日本の国試を受けられる」という説明だけで判断しないことが重要です。認定の可否と予備校の学習支援は別のものです。自分に適用される基準や必要事項は、厚生労働省の案内と担当窓口で確認してください。
医師国家試験と予備試験の関係を整理
| 区分 | 概要 | 注意点 |
|---|---|---|
| 医師国家試験受験資格認定 | 書類審査と日本語診療能力調査の基準を満たし、日本の医師国家試験の受験資格を得る | 基準は日本の医学校卒業者と同等以上かどうか |
| 医師国家試験予備試験受験資格認定 | 予備試験を受験するための認定 | 誰でも自由に予備試験を受けられるわけではない |
| 予備試験を経る場合 | 予備試験合格後、1年以上の診療・公衆衛生に関する実地修練を経て医師国家試験へ | 実地修練は国試合格後の臨床研修とは別のもの |
| いずれも認められない場合 | 受験資格認定が得られない場合もある | 卒業大学名や学位だけでは保証されない |
予備試験は、基礎医学・公衆衛生などの第1部と、筆記・実地試験からなる第2部で構成されます。予備試験を経る流れや、いずれの認定も認められない場合があることは、厚生労働省の制度案内に示されています。[2]自分で希望するルートを選べば受験できるという意味ではありません。
日本語診療能力調査と、一般的な日本語の違い
日本語診療能力調査は、日本語で診察するための能力を、医療面接や診療に関する説明などを通じて確認するものです。厚生労働省の案内では、日常診療で出会う主要な症候の患者を想定し、次の能力が評価されます。[2]
| 評価される能力 | 案内に示された内容(要約) |
|---|---|
| 聴く能力 | 患者や医療従事者の話を聴き、正しく理解できるか |
| 話す能力 | 診療内容を正確に説明し、相手の理解を得られるか |
| 書く能力 | 基本的な医療記録を日本語で適切に作成できるか |
| 読み取る能力 | 日本で使われる医学用語を理解したうえで音読できるか |
| 診察する能力 | 患者に説明しながら身体所見をとり、所見を医療従事者に伝えられるか |
調査委員2名が各項目を4段階で採点し、100点満点換算で60点以上、かつ0点の項目がないことが基準とされています。[2]日常会話に不自由がないことと、医学的な内容を患者や医療者へ正確に伝えることは、分けて確認する必要があります。英語で学んだ用語を日本語の医学用語へ対応させ、短い症例の要約や、相手に伝わる説明を練習する方法が考えられます。
在学中に確認しておきたい書類
厚生労働省の「申請に必要な書類」には、次のような書類が挙げられています。[3]
| 書類の例 | 在学中から確認したいこと |
|---|---|
| 外国医学校の卒業証書の写しまたは卒業証明書 | 卒業後の発行方法と、氏名表記が本人確認書類と一致するか |
| 履修した教科課程と時間数を示す書類 | 指定様式に履修科目をすべて入力する必要があるため、科目名と時間数が分かる資料を大学から取得できるか |
| 外国で取得した医師免許証の写し | 免許を取得した場合の証明書と提出条件 |
| 日本語能力試験N1の認定書・成績書の写し等 | 日本の中学校・高等学校を卒業していない場合に必要 |
| 翻訳と公的機関の証明 | 外国語の書類には日本語訳を添付し、一部の書類は当該国の大使館・領事館・外務省などの公的機関による証明も必要 |
大学を離れてから資料の取得に時間がかかる場合に備え、教務窓口と発行手続きを確認しておくと準備を進めやすくなります。個人情報を含む資料の保管・共有は必要な範囲に限定しましょう。
進級対策と、日本向けの準備を両立する
在学中は、現地大学の授業・実習・進級条件を満たすことを優先します。日本の試験向け教材だけに切り替えると、大学で求められる範囲や形式への準備が不足する可能性があります。
そのうえで、英語で学ぶ内容に日本語の医学用語を対応させる、学んだ単元を日本語でも短く説明するなど、現地の復習とつながる準備を取り入れます。卒業が近づいたら、認定に関する確認事項と、学習上の弱点を分けて計画を作りましょう。在学中の学習は海外医学部進級対策コースで相談できます。
試験日程と申請期限は毎年度の公式案内で確認
受験資格認定の申請期限、予備試験、医師国家試験の日程は別の情報です。例えば令和8年度の受験資格認定では、事前の「申込みシート」に送信期限が設けられ、期限までに提出した人の申請のみ受け付ける方式が案内されていました。[1]前年度の記事や検索結果に表示された日付だけを見て準備せず、必ず最新年度の案内を確認してください。
CESでは、海外医学部在学中の学習と、卒業後の日本医師国家試験・予備試験の学習を、状況に合わせて相談できます。受験資格の最終判断と行政手続きは厚生労働省の所管です。認定と学習対策を区別しながら、海外医学部卒向け 日本医師国試・予備試験対策コースをご確認ください。
会話で確認する学習のポイント
学生:海外の医学部を卒業すれば、そのまま日本の国試を受けられますか?
講師:自動的に受験できるわけではありません。厚生労働省の受験資格認定制度を確認し、学習の準備と分けて進めましょう。
学習・準備の進め方
- 厚生労働省の認定制度を確認
- 適用基準・必要書類を整理
- 大学での学習と医学日本語を準備
- 認定の結果・受験資格に沿って試験対策
よくある質問
特定の海外大学を出れば受験資格は保証されますか?
保証されません。厚生労働省は、申請後に個人の能力や受けた教育などを審査し、外国医学校の卒業生を一律に認定しないと説明しています。
全員が予備試験を受ける必要がありますか?
全員が同じ経路を通るわけではありません。医師国家試験受験資格認定と予備試験受験資格認定は区別され、いずれも認められない場合もあります。
日本語が母語なら医学日本語の準備は不要ですか?
英語で学んだ内容を日本語の医学用語で読み、説明する準備は別に確認しましょう。日本語診療能力調査では医療記録の作成や医学用語の音読なども評価されます。適用と要件は公式案内で確認してください。
申請は代理人や郵送でもできますか?
厚生労働省の案内では、申請は本人が行う必要があり、郵送や代理による申請は受け付けないとされています。来室する場合は事前に担当者と日時を調整します。
確認問題
医師国家試験受験資格認定と、予備校の受講は同じものですか?
解答を確認する
異なります。受験資格認定は厚生労働省の制度であり、予備校は学習を支援します。受講によって認定が保証されることはありません。
まとめ
海外医学部から日本の医師を目指すには、個人ごとの受験資格認定を確認し、書類・医学日本語・試験学習の準備を分けて進めましょう。在学中は現地の進級条件を優先し、最新の公式案内に沿って計画します。
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参考・確認先
情報確認日:2026年10月20日。大学の規則は年度・学部・課程で異なり、変更されることがあります。本文の学習例・確認表はCESによる学習方法の提案であり、大学公式の基準ではありません。最新の条件は所属先の案内で確認してください。
執筆・編集:CES医師国試予備校 講師チーム
監修:岩崎 陽一(株式会社アクト 代表取締役)
医学部・医療系国家試験の指導に30年以上携わり、CES医師国試予備校をはじめとするアクトの各予備校を統括。
最終更新日:2026年10月20日
