第119回医師国家試験ストレート卒業率と国試合格率
進級率(全体)
卒業率(全体)
国試合格率
できない割合
CONTENTS
1. 今回のデータの見方
2. 全体サマリー ── 国立・公立・私立の比較
3. ストレート卒業率 上位10・下位10
4. 国試合格率 上位・下位
5.「6年次留年」── 卒試で落とされる大学はどこか
6. 全81医学部 完全データ一覧(卒業率順位)
7. データから読み取れる3つの傾向
8. CES医師国試予備校の現場から
9. まとめ
1. 今回のデータの見方
本記事で使用するデータは、令和元年度(2019年度)入学者が6年間でどうなったかを追跡した最新の公式統計です。第119回医師国家試験(令和7年3月実施)の結果とあわせて公表されています。
本記事で使う3つの指標
ストレート進級率 = 入学者のうち1度も留年せず6年生まで到達した割合
ストレート卒業率 = 入学者のうち最低修業年限(6年)で卒業できた割合。①との差が「卒試留年者」
新卒国試合格率 = 第119回医師国家試験の新卒合格率(修業年限超過者含む)
※出典:厚生労働省報道発表資料、文部科学省医学教育課調べ。防衛医科大学校は含みません。
2. 全体サマリー ── 国立・公立・私立の比較
KEY POINTS
▸ 公立が最も優秀で、進級率90.4%・卒業率89.4%と3区分中トップ。
▸ 私立は卒業率81.2%で国公立より6〜8ポイント低い。入学者3,679名中約690名が6年で卒業できていない。
▸ 国試合格率は全区分95%超だが、これは「卒業できた学生」のみの数字。卒業までの篩が大きい。
3. ストレート卒業率 上位10・下位10
大学別のストレート卒業率を見ると、1位と81位の差は約32ポイントにも及びます。
下位10校は私立が9校を占めますが、国立の山形大学(75.8%)や島根大学(76.2%、11位)も含まれ、「国立だから安心」とは言い切れません。川崎医科大学は入学者128名中、6年でストレート卒業できたのは84名。約3人に1人が6年で卒業できていない計算です。
4. 国試合格率 上位・下位
5.「6年次留年」── 卒試で落とされる大学はどこか
6年生まで進級したのに卒業試験で不合格となった「6年次留年者」。進級率と卒業率の差分から推定できます。
6年次留年者が多い大学 TOP8
帝京大学
東北医科薬科大学
滋賀医科大学
埼玉医科大学
国際医療福祉大学
北里大学
各 4名
一方、進級率=卒業率(卒試での留年ゼロ)の大学も多数あります。山形大学・東海大学・愛知医科大学などは1〜5年次で既に篩にかけ、6年生に到達した学生は全員卒業。「どの学年で篩にかけるか」は大学の戦略によって大きく異なることがわかります。
6. 全81医学部 完全データ一覧(ストレート卒業率順位)
全81大学をストレート卒業率の高い順にランキングしました。ご自身の大学の位置を確認してみてください。
※色分け:■ 国立 ■ 公立 ■ 私立 | 数値は令和元年度入学者の卒業状況 / 第119回国試
7. データから読み取れる3つの傾向
❶「どこで落とすか」は大学の戦略で決まる
1〜5年次で篩にかける大学(東海大・愛知医大など)と、卒試で最終的に落とす大学(帝京大・東北医科薬科大など)。在学中の学習計画は、自分の大学がどちらの戦略かによって変わります。
❷ 偏差値と留年率は一致しない
九州大学(卒業率79.5%)は旧帝大でありながら80%を割り68位。一方、鹿児島大学は進級率100%で3位。入試難易度と進級しやすさは別の話です。
❸ 国試合格率の「高さ」に騙されてはいけない
国試合格率は「卒業できた学生」だけの数字です。福岡大学は合格率94.6%と一見高いですが、ストレート卒業率は68.2%。入学者ベースでは6年で医師になれる確率は約64%です。
8. CES医師国試予備校の現場から
FROM CES MEDICAL EXAM PREP
CES医師国試予備校では15年以上にわたり医学部生の進級対策を行ってきました。データの裏にある「なぜ留年するのか」を、現場の視点からお伝えします。
知見 ❶ 暗記依存の限界は学年とともに必ず来る
留年する学生の多くは、低学年のうちは暗記で乗り切れていたものの、学年が上がるにつれて追いつかなくなるパターンです。CESのマンツーマン授業で「理解を深める勉強法」が身につくと、その後は順調に進級・卒業していく学生がほとんどです。
知見 ❷ 「大丈夫だと思っていた科目」ほど落とす
留年する学生は「自分では大丈夫だと思っている科目」ほど落とす傾向があります。自己評価を客観視する力が不足しているためです。CESでは講師が「ここが実はわかっていない」というフィードバックを繰り返すことで、このズレが徐々に矯正されていきます。
9. まとめ
✓ ストレート卒業率は全体85.5%。約14.5%が6年で卒業できない。
✓ 私立(81.2%)は国公立(約88〜89%)より明確に低い。
✓ 1位は自治医科大学(97.6%)、81位は川崎医科大学(65.6%)。差は32ポイント。
✓ 帝京大は6年次留年9名で最多。「どこで篩にかけるか」は大学により異なる。
✓ 国試合格率の高さは「卒業できた人」だけの数字。入学者ベースで見るべき。
✓ 暗記から理解への転換と、自己評価の客観化が進級の鍵。
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※本記事のデータは厚生労働省報道発表資料および文部科学省医学教育課調べに基づきます。令和元年度入学者の卒業状況および第119回医師国家試験(令和7年3月)の結果。防衛医科大学校は含みません。
