【医学部で学ぶということ】臨床実習:呼吸器科
呼吸器科の実習が終わりました。
呼吸器科では入院患者のほとんどが、高齢の肺がん患者でした。
グループのメンバーは全員が肺がん患者の担当となりました。
肺がんは日本人に最も多いがんで、その上がんの中では予後の悪い部類です。
よく知られているように、喫煙者は発症するリスクが高くなります。
喫煙者は肺がん以外にもCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患を持っている人が多く、そういう人が肺がんを発症すると正常に稼働する肺がほとんどなくなってしまうため、呼吸能力が一気に低下してしまいます。
失われた呼吸能力は回復しないので、治療を行っても寝たきりで人工呼吸器が外せなくなり、短い期間で亡くなってしまうのです。喫煙者の近くで生活する人もたばこの煙(副流煙)を吸ってしまうためリスクが上がるため注意が必要です。
肺がんの治療には他のがんと同じように手術、放射線、化学療法の3つのアプローチが用いられます。
日本では手術が可能であればそれが選択されることが多いですが、欧米では早期の肺がんであれば放射線で治療してしまうことも多いようです。
外科や放射線科との連携が必要なため、呼吸器科の中のカンファレンスだけでなく合同のカンファレンスも行われていました。
呼吸器科ではレントゲン読影が非常に重要です。
肺は腹部や頭部など他の部位に比べてレントゲンに写りやすいので、しっかりと読影すればかなり診断に役立ちます。
講義でも放射線科に負けないくらい、詳しく教わることができました。
レントゲンは手軽に撮影できるため、呼吸器専門の医師でなくとも目にする機会が多くなります。
そのときに肺がんを見落としてしまうと訴訟となってしまい、専門でないからという言い訳は通りません。
そういうことにならないためにも、どの科を目指す医師にとっても胸部レントゲンの読影は重要なのです。
放射線、呼吸器と続けて回ったため、読影には少し自信が出てきました。
次は第二内科を回ります。