【医師国家試験】国試模試の判定A〜Eをどう読む?
――点数より重要な「3つの指標」と、次の勉強への落とし込み方**
医師国家試験の模試は、多くの受験生にとって 最も強いプレッシャーを感じるイベント です。とくに「模擬試験の判定」は精神的な影響が大きく、A・B・C判定で安心しすぎたり、D・E判定で必要以上に落ち込んだりしてしまう学生が少なくありません。
しかし実際には、模試の判定そのものは合格・不合格を決める要素ではありません。
国試合格に直結するのは、判定ではなく 「自分の弱点をどれだけ可視化し、改善につなげられるか」 です。
この記事では、医師国家試験の模試を最大限活用するための
1.判定の正しい意味
2.点数より優先して読むべき「3つの指標」
3.弱点を次の勉強に落とし込む方法
を体系的に解説します。
1.国試模試の判定は「未来予測」ではなく「位置情報」
多くの学生は「判定A → 合格確実」「D・E → 絶望」と感じがちですが、模試判定は未来を予測するものではありません。
判定はあくまで
「現時点での受験生集団の中で、自分がどの位置にいるか」
を示す指標にすぎません。
▼ 判定別の一般的な意味
- A判定:集団内で上位にいる。だが油断は禁物。
- B判定:十分合格圏。伸びしろも大きい。
- C判定:全体の中間。ここからの勉強量が結果を左右する。
- D判定:弱点範囲がまだ広い状態。弱点を改善すれば中位に浮上する可能性あり。
- E判定:基礎問題の取りこぼしが多い状態。普段の演習方法を見直す必要あり。
すべての模擬試験において最も重要なのは、判定A〜Eよりも、
「自分がどの分野で、どの形式で、なぜ点を落としているのか」
を正確に読み取ることです。
2. 点数よりも重要な“3つの指標”
国試模試は情報量が多く、A〜E判定や総合点ばかりが目に入りがちですが、
合格者が最も重視するのは次の3つ です。
① 分野別得点 ― 国試の「合否ライン」を決める指標
医師国家試験は、科目ごとの難易度や出題バランスが大きく異なり、本番では一般臨床/必修と別々の合格判定となるため、
「一般臨床/必修を併せた総合得点のみをみる」のは危険です。
特に注意すべき分野は:
- 必修科目の臨床問題の取りこぼし(禁忌肢や基礎項目)
- メジャー・公衆衛生範囲の低得点
です。国試本番は、総合点ではなく 「出題数の多い分野をどれだけ安定して取れるか」 が合否を決めるため、模擬試験でメジャー科目、公衆衛生の取りこぼしが多い場合は特に注意して復習することが必要です。また、必修科目の臨床問題は1問3点と配点が大きいため、1問でも取りこぼすとダメージが大きくなります。特に、正答率の高い問題で間違えてしまった場合はなぜ間違えたかも含めて徹底的に復習しましょう。
② 設問形式別の強弱 ― 「どのタイプで落としているか」を見る
模試の成績表には、以下のような分類が載っていることがあります:
- 一般問題(知識)
- 必修問題(初期対応・禁忌)
- 臨床問題(推論)
- 科目別成績
- 禁忌選択数
これを読み解くと、自分が、
- 知識不足型
- 推論が弱い型
- 典型処理が遅い型
- 禁忌選択肢を解答の候補に入れたまま選択肢を検討してしまう型
のどれなのかが一目でわかります。
例:
典型問題は解けているのに初見問題が壊滅的
→ 知識はあるが応用力が弱い=演習量不足型
一般問題が弱いのに症例問題は取れる
→応用力はあるものの、基礎知識に抜けがある=暗記不足型
禁忌選択肢を選んでしまう
→絶対に選んではいけない選択肢を最初に除外しない=目立つ選択肢に飛びついてしまう傾向
自分のミスの傾向が掴めると勉強方針が劇的に変わります。
③ 正答率帯の分析 ―「みんなが取っている問題を落としていないか」
国試模試では、問題ごとに 全国正答率 が示されます。
最優先で見るべきは、
正答率70〜90%の問題で落としているところです。
ここは 「全員が取る問題」=国試で落とせない問題 です。
逆に難問(正答率20〜30%)で落としていても全く気にする必要はありません。まずは正答率の高い問題から見直し、正答率の低い問題は「国試に出た際に模試を受験した他の受験生に差をつけられる可能性がある」問題として、もしの際には回答できなくとも、念のため本番までには軽く見直すことが推奨されます。
3.模試結果を「次の勉強」に落とし込む方法
模試は復習して初めて価値を持ちます。
A判定でも復習しなければ成績は落ち、E判定でも復習すれば短期間で上がります。
ここでは合格者が必ず実践している「復習の3ステップ」を提示します。
ステップ①:間違えた問題を3種類に分類する
分類すると、弱点の原因がはっきりします。
- 知らなかった(知識不足)
→ QBまたは教科書に戻って知識の補強を行う - 知っているが選べなかった(選択肢処理の問題)
→ 同テーマの過去問を追加で演習する、選べなかった理由を本番の状況を踏まえて考察する - 読めば解けたのに読み落とした(読解・焦り)
→ 形式別演習(症例問題の読み方)を強化する。模擬試験の問題等で確実に注目すべき所見に下線を引きながら読む練習を行う。
ステップ②:分野別の穴を次の週でなるべく埋める
模試の弱点分野は「次の1週間で補強する」ことが必要です。
時間経過で模擬試験の解答時の記憶が薄れてしまうため、なるべく早く弱点分野の復習を行いましょう。
まとめ:模試の判定A〜Eは「材料」であって「結果」ではない
国試模試で最も大切なのは、模擬試験の判定に一喜一憂せず、弱点を正しく読むこと です。特に、点数より重視すべき3つの指標は以下の3つです。
- 分野別得点の偏り
- 設問形式別の得点の偏り
- 正答率帯(特に70%以上)での取りこぼし
これらを踏まえて復習すると、模試は単なる判定イベントではなく
「合格のための診断ツール」 に変わります。模擬試験の結果を適切に受け止めて自身の弱点の克服に役立てましょう。


