【医学部CBT】残り6ヶ月からの“年度別・学年別”逆算スケジュール

――3年後半・4年前半それぞれで組む、6ヶ月・3ヶ月・1ヶ月モデルプラン

医学部3〜4年生が必ず迎える大きな試験、それが CBT(Computer Based Testing) です。
試験範囲は基礎医学から臨床医学、公衆衛生まで幅広く、暗記だけでは対応できない問題も多いため、

  • 「6ヶ月前から何をすれば間に合う?」
  • 「大学ごとの受験時期の違いで、対策は変えるべき?」
  • 「直前1ヶ月の勉強量はどれくらい?」

と悩む学生が非常に多いです。

特に、CBT対策は 早い段階から“逆算”して取り組むことが最重要 です。近年では一部病院にてマッチングの参考資料としての提出が求められるため、早期からの対策で高得点を取ることがマッチング、国試対策を有利に進める第一手となります。
この記事では、3年後半〜4年前半それぞれのタイミングで、
6ヶ月・3ヶ月・1ヶ月で行うべき対策をモデルプランとして提示します。

■ 1. CBT対策の全体像:6ヶ月前〜本番まで“何をどれだけやるか”

まず、CBT対策は以下の3本柱で構成されます。

市販のCBT問題集を軸にした問題演習

CBTは多選択式、4連問式など国家試験とも異なる形式に慣れることが対策において最重要です。市販の再現過去問演習などが合格可能性を最も高めます。まずはCBTの出題形式になれるため、一部範囲からでも問題演習を開始しましょう。

 

基礎医学(生理・解剖・薬理)、の理解

CBTは国家試験と異なり、基礎医学の出題割合が高く設定されています。臨床医学は国家試験にもつながるため教材が豊富に存在しますが、基礎医学の教材は臨床医学に比較して少なく、対策に時間を要します。そのため、早めの段階から基礎医学を固めるようにしましょう。

 

直前期の総合演習(分野横断)

直前期は分野別の対策ではなく、横断的な対策を行うようにしましょう。CBT本番では全範囲がランダムで出題されるためです。分野別から分野横断的な対策にシフトしていくことで、本番でも分野を問わず解答できるようにしましょう。

これらを踏まえ、以下にCBT受験時期からの逆算スケジュールを示します。

■ 2. CBTの「6ヶ月前〜本番」逆算スケジュール

【6ヶ月前】

ゴール:QB1周目の土台+基礎科目の理解を固める

  • まずは問題集の各科目を1周し、問題形式を把握
  • 特に この時期は基礎医学(生理学・解剖学・薬理学など)の弱点を補強
  • 毎日1〜2時間を“習慣化”することを最優先

ポイント:
CBT前は大学での授業量・テスト量が多いため、「完璧にやろうとしない」。
この時点では6割理解・4割は2周目以降に回すぐらいがちょうどよい。

 

【3ヶ月前】

ゴール:QB主要科目の2周目完了+ミス分類

  • ここからは内科・外科・救急など主要臓器別で臨床医学科目重点的に進める
  • 1周目で間違えた問題を「誤答理由別」に仕分け
    ①知らない
    ②迷った
    ③読解ミス
  • 苦手科目の復習頻度を増やす
  • 基礎知識が定着してきたところで多選択肢、4連問

ポイント:
CBTは合格のみであれば平日2時間、休日4時間程度で十分間に合います。重要なのは継続的に学習する習慣を身につけることです。

【1ヶ月前】(直前期)

ゴール:多選択肢、4連問形式に慣れ、本番を意識した問題セットで演習を

  • CBTの本番形式で事前に時間配分を練習しておく
  • 不安な基礎・臨床科目は再度復習を行い、知識を確実に整理しておく
  • 誤答ノートを総チェックし、本番で同様のミスを誘発しないようにする

最重要:
直前は「詰め込む時期」ではなく、精度を上げる時期です。ここからは知識の詰め込みよりも知識の総確認を行うようにしましょう。ここからは本番形式で演習を行うことで、当日のスケジュールや出題方法などに慣れておきましょう。

■ 5. CBT対策で落としやすい3つの失敗と回避方法

ここからはCBT対策で陥りがちな罠と、それらの対策方法について紹介します。

失敗①:6ヶ月前から完璧に対策を行おうとする

最初から完璧に対策しすぎてしまうことは、CBTに限らず、様々な試験の対策での最大の落とし穴です。最初から完璧に対策しすぎてしまうと、モチベーションの低下や、時間配分のミスを招きます。特に基礎医学分野は忘れてしまっていることも多く、最初から完璧にすべて覚えようとするのは危険です。

対策:

  • 最初の1周目は「流し読み」で、全範囲を見渡すことを優先
  • 優先度の高い基礎・臨床科目から固める
  • 1日30分でもいいので毎日触れる

まずは未完成でも良いのでCBTの試験範囲を早めに見渡すようにしましょう。

失敗②:問題集を周回するだけで満足する(理解が浅い)

問題をただ暗記して解くだけではCBTの点数は伸びません。必ず問題の背景・周辺知識を理解しながら演習を行うようにしましょう

対策:

  • 必ず知識不足、臨床推論力の問題など、「誤答理由」を仕分ける
  • 迷った問題を必ず復習する
  • 解説は“自分の言葉で要約”して理解を深める

問題集を解くのみでは周辺知識の不足により、本番の所見問題に対応できません。必ず周辺の基礎医学の知識、臨床範囲での鑑別疾患は整理しておきましょう。

失敗③:直前期に特定の分野のみの対策を行う

CBTは出題の性質上、すべての範囲からまんべんなく出題がされます。直前期に特定範囲のみの対策を行うと、得意であったはずの範囲の知識を忘れてしまいかえって成績が悪化する場合があります。

対策:

  • 本番直前期までに対策したい範囲を絞っておく
  • 対策したい範囲を絞ることで、全範囲をまんべんなく復習する時間を確保する

直前期は不安から苦手分野のみを行いがちです。しかし、直前期こそ「点数を落とさない」ように対策を行いましょう。

■ 6. まとめ:CBT対策は“逆算”して6ヶ月前から対策を始めたほうが万全

CBTは範囲が広く、基礎医学の比重も高いため、短期間で仕上げようとするとどうしても負荷が大きくなります。だからこそ、6ヶ月前から逆算して計画的に進めることが最も効率的で、確実に間に合う方法です。

3年後半で受験するか、4年前半で受験するかによって勉強時間や並走する授業が異なるため、学年に応じた微調整は必要ですが、基本的な戦略は共通しています。まず6ヶ月前は「QB1周目と基礎固め」を中心に進め、形式に慣れながら弱点となりやすい生理・解剖・薬理を押さえる時期とします。3ヶ月前にはQB2周目に入り、誤答分析を通じて知識を安定させ、確実に得点源を増やしていきます。そして1ヶ月前の直前期には年度別や本番形式の演習を行い、時間配分や横断的な問題処理を仕上げていく流れが理想です。

何より大切なのは、最初から完璧を目指さず、毎日継続して取り組む“学習習慣”を作ること。 この積み重ねが、CBTでも国家試験でも最も大きな武器になります。逆算して計画的に取り組めば、CBTは6ヶ月で十分に高得点が狙える試験です。

著者プロフィール

東大医学部卒講師(現役医師)

略歴:

PMD医学部専門予備校およびCES医師国家試験予備校で講師として指導中。
医学教育・国試対策に関する豊富な実務経験をもとに監修・執筆を担当。