狭心症疑いのSPECT陰性例と薬物療法の継続判断|第120回医師国家試験 120D36 問題解説

問題の概要

56歳男性。労作時胸部違和感が主訴で、冠動脈CTで左前下行枝に狭窄病変(石灰化プラーク)が示唆されました。運動負荷心筋血流SPECTでは十分な運動負荷がかけられ、経過中に虚血性変化や症状は出ませんでした。現時点の適切な対応を問う問題です。

正答

d
薬物療法を継続して経過観察する

解説

冠動脈CTで解剖学的に狭窄が疑われても、負荷試験(SPECTなど)で機能的虚血が示されない場合は、直ちに侵襲的検査(冠動脈造影)や血行再建(PCI)に進む必要性は下がります。

この症例は「症状が薬で軽快」、「検査で十分な負荷がかけられた」「一方で虚血所見が出ていない」という条件がそろっています。したがって、現時点では抗狭心症薬や脂質管理などの内科的治療を継続し、症状再燃やリスク評価に応じて再検討するのが自然です。

今年の問題はリスクを正確に評価し、経過観察や定期的なフォローを選択させる出題が多く出されました。

国試での解き方(判断軸)

押さえておくべきポイント
  • 解剖学的狭窄(CT)と機能的虚血(負荷試験)を分けて考えましょう
  • 負荷が十分で虚血が陰性であるなら、まず薬物療法で経過を見る事が多いです
  • PCIや冠動脈造影は「虚血がある」「症状が制御できない」「高リスク所見」などで優先されます

著者プロフィール

東大医学部卒講師(現役医師)

略歴:

PMD医学部専門予備校およびCES医師国家試験予備校で講師として指導中。
医学教育・国試対策に関する豊富な実務経験をもとに監修・執筆を担当。