第120回医師国家試験で合否を分けた問題10選|CES医師国試予備校

 

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第120回医師国家試験で合否を分けた問題10選

「知っていたのに落とした問題」の構造を読み解き、既卒生がつまずきやすいポイントと第121回につながる対策まで整理します。

第120回医師国家試験は、全体合格率91.6%、新卒合格率94.7%、既卒合格率54.6%でした。数字だけを見ると極端な難化回ではありません。しかし、合格基準は必修160点以上/200点、一般・臨床224点以上/300点、さらに禁忌肢3問以下と明確であり、実際には数問の取りこぼしが合否を左右する試験でもありました。

今回の第120回は、過去問・類問ベースの王道問題が多く、全体としては「基本を積み上げた受験生が得点しやすい回」でした。一方で、制度改正、医療安全、医療倫理、実臨床での判断の順番まで問う問題も点在しており、単なる暗記や直近の過去問周回だけでは拾いきれない論点が混ざっていました。

つまり、第120回で本当に合否を分けたのは、難問への対応力ではありません。「知っている」ことと、「本番で正しく使える」ことの差です。

目次
  1. 第120回で合否を分けた理由
  2. 「知っていたのに落とした問題」の構造
  3. 合否を分けた問題10選
  4. 既卒生が落としやすいポイント
  5. 第121回にどうつなげるか
  6. CES医師国試予備校が重視する対策
  7. お問い合わせ・ご相談

第120回で合否を分けた理由

第120回の特徴は、典型論点をそのまま聞くのではなく、少しだけ現実の医療に寄せて聞いてきたことにあります。病気の名前を知っている、制度名を知っている、検査値の意味を知っている。そこまでは多くの受験生が到達しています。しかし本番では、その知識を「この患者ならどう使うか」「今この場面で何を優先するか」に変換できるかが問われました。

特に差がついたのは、次の3種類の問題です。1つ目は、制度や法律のアップデートを前提にした問題。2つ目は、検査や治療を“やりすぎない”判断を求める問題。3つ目は、患者背景や実務の流れまで含めて考える問題です。知識量そのものよりも、「正しく抑制する力」「判断の順番を守る力」が結果を左右した回だったといえます。

「知っていたのに落とした問題」の構造

医師国家試験で本当に怖いのは、知らない問題ではありません。勉強したはずなのに、本番で落とした問題です。

こうした問題には共通構造があります。まず、論点自体は見たことがある。次に、選択肢のどれも一見もっともらしい。そして最後に、受験生が自分の知識量の多さゆえに考えすぎてしまう。第120回では、この「考えすぎる受験生」を外しにくる問題が目立ちました。

落としやすい問題の典型パターン
  • 論点は知っているのに、判断の優先順位が崩れる
  • 知識が多いほど、余計な可能性まで考えてしまう
  • 制度や法規を「周辺知識」として後回しにしてしまう
  • 検査値や画像に反応しすぎて、臨床経過を軽く見る

合否を分けた問題10選

1.120A29

喉頭全摘術後の機能障害と永久気管孔の理解を問う問題です。ここで問われたのは、術式名の暗記ではなく、術後に何が失われ、何が保たれるのかという機能理解でした。解剖と術後機能をつなげて考えられた受験生は取れますが、用語を表面的に覚えていただけでは迷いやすい問題です。

2.120A61

胃瘻管理や栄養サポートの実務感覚が問われた問題です。病棟内の治療だけでなく、退院後管理や多職種連携まで含めて考えられるかが差になりました。病院完結型の知識だけではなく、生活に接続する医療を理解しているかが問われた1問です。

3.120B8

ハンセン病の隔離政策の歴史と医療倫理を問う問題です。これは感染症の知識問題ではなく、医学と社会の関係をどう理解しているかを見る問題でした。公衆衛生・倫理を後回しにした受験生ほど取りこぼしやすいタイプです。

4.120C11

医師法で規定されていないものを選ばせる問題です。制度名を知っているだけでは足りず、どの制度がどの法律に基づくのかまで整理していないと落ちます。語感や雰囲気で選ぶ受験生をきれいに外すタイプの問題でした。

5.120C26

高額療養費制度の自己負担限度額の決定要因を問う問題です。制度そのものを知っていても、「何が決定因子なのか」を一言で言えないと迷います。医療制度を単発暗記ではなく、構造で理解していたかどうかが問われました。

6.120D36

画像上の異常に対して、すぐに追加介入へ飛びつかず、機能評価や臨床文脈から考えられるかを問う問題です。知識がある受験生ほど「何かしたくなる」場面で、あえてやりすぎない判断ができるかが差になりました。

7.120D40

クレアチニンとシスタチンCの違いを踏まえて腎機能を評価する問題です。検査値の意味を単独で覚えるのではなく、患者背景と合わせて読む力が必要でした。数値暗記型の学習では不安定になりやすい問題です。

8.120D60

誤嚥性肺炎で、培養結果だけに反応せず、全身状態や臨床経過を優先して抗菌薬を判断する問題です。検出菌と起炎菌を区別し、データに振り回されないことが求められました。これも「やりすぎない」判断の典型です。

9.120E27

医師の働き方改革に関する問題です。近年の制度改正を踏まえていないと落としやすく、過去問中心学習だけでは対応しにくい代表例でした。制度改正を”周辺領域”として軽く見ていた受験生との差が出やすい問題です。

10.120F9

オンライン診療に関する問題です。ICTの知識というより、医療の本質である安全性・プライバシー保護・適切な診療環境を理解しているかが問われました。制度・倫理・現代医療の交点にある問題として、今後も重要度は高いと考えられます。

既卒生が落としやすいポイント

第120回の結果を見ると、新卒94.7%に対し、既卒54.6%と大きな差があります。もちろん既卒生は母集団の事情が異なるため単純比較はできませんが、それでもこの差は偶然ではありません。

既卒生が落としやすいポイントの1つは、知識を足す勉強に偏りやすいことです。不合格を経験すると、多くの受験生は「まだ知らないことが多い」と考えます。その結果、細かい知識を増やす方向に走りやすい。しかし第120回で差がついたのは、知らない知識よりも、既に知っている知識を整理して使えるかどうかでした。

もう1つは、考えすぎて本来取れる問題を落とすことです。既卒生は勉強時間が長くなる分、知識が断片的に積み上がっており、選択肢を見たときに余計な可能性まで想起しやすくなります。その結果、「今は踏み込まない」「まず経過を見る」という問題で外しやすくなります。これは知識不足ではなく、判断の交通整理が崩れている状態です。

さらに、既卒生は過去問の正答記憶が強い一方で、制度や医療のアップデートが抜けやすいという弱点もあります。働き方改革やオンライン診療のような近年性の高い論点は、「昔の知識では正解できない問題」として今後も出題されやすい領域です。

第121回にどうつなげるか

第121回対策で重要なのは、単純な問題数の上積みではありません。必要なのは、頻出テーマの再整理です。過去問をもう一度回すだけではなく、「なぜその選択肢が正しいのか」「なぜ他は違うのか」を言葉にできるレベルまで戻す必要があります。

次に必要なのは、制度・法規・医療倫理のアップデートを独立して対策することです。ここを周辺領域として後回しにすると、第120回型の試験では確実に失点源になります。特に働き方改革、医療安全、社会保障制度、オンライン診療などは、今後も出題しやすいテーマです。

さらに重要なのが、「やるべきこと」だけでなく「やらない判断」を鍛えることです。検査を追加しない、治療を広げない、急いで侵襲的介入に進まない。こうした判断は、知識量ではなく、症例文の読み方と優先順位の置き方で決まります。第121回に向けては、この部分を症例演習の中で反復して修正していく必要があります。

第121回に向けて意識したい3点
  1. 頻出テーマを「説明できるレベル」まで再整理する
  2. 制度・法規・倫理を独立領域として対策する
  3. 「追加する判断」だけでなく「やらない判断」を症例で鍛える

CES医師国試予備校が重視する対策

第120回を受けて、CES医師国試予備校が重視すべきなのは、単なる問題解説ではありません。必要なのは、なぜその問題を落としたのかを言語化し、次回に再発させない指導です。

具体的には、頻出テーマの再整理、制度・法規・倫理の構造理解、症例文の読み方の修正、過剰な検査・治療に流れない判断訓練、そして既卒生に多い「知識はあるのに落とす」状態の補正。この5点が、第121回対策の中核になります。

第120回は、難問を解けるかどうかではなく、取るべき問題を確実に取れるかどうかが勝負でした。だからこそ、次回に向けて必要なのは新しい参考書を増やすことではなく、自分の失点構造を正しく見抜くことです。

まとめ

第120回医師国家試験で合否を分けたのは、難問ではありませんでした。

制度を古い知識のまま覚えていなかったか。実臨床の流れを理解していたか。検査値や画像に過剰反応せず、適切に立ち止まれたか。

そして何より、知っている知識を、本番で正しく使えたか。第121回でも、この差はそのまま合否に直結すると考えられます。

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この記事の著者
CES医師国試予備校 教務部

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