医学部2年生の進級対策|医学部の勉強法と留年予防
医学部2年生の進級対策|解剖学・生理学・生化学を関連づけて留年を防ぐ勉強法
- 2年生は解剖学・生理学・生化学が本格的に始まり、医学部で最も知識量が増える学年の一つです。
- 同じ臓器を「構造・働き・分子」の3方向から結び付けると、暗記が理解に変わります。
- ここで作った知識の地図は、3年生の病理学・薬理学、4年生のCBTまでそのまま使えます。
結論|2年生で大切なこと
2年生では、人体の正常な構造と働きを学ぶ基礎医学が中心になります。解剖学で覚える名称の数、生理学で扱う調節の仕組み、生化学で登場する代謝経路は、いずれも1年生とは比べものにならない量です。科目ごとにばらばらに暗記していると、試験が重なる時期に一気に苦しくなります。
2年生で大切なのは、暗記と理解を往復することです。名称や経路を覚えたら、「それが体の中で何のためにあるのか」を他の科目の知識で説明してみる。この往復が、3年生以降の「病気の理解」の土台になります。
早期体験実習
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生化学
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微生物・社会医学
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共用試験CBT・OSCE
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臨床実習
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卒業試験・国試
※科目配当は大学により異なります。解剖学を1年次後半から始める大学もあります。
2年生で学ぶこと
解剖学・生理学・生化学は、同じ臓器を別の角度から見ている科目です。図2のように臓器ごとに3科目の内容を並べると、つながりが見えてきます。
| 臓器 | 解剖学(構造) | 生理学(働き) | 生化学(分子の仕組み) |
|---|---|---|---|
| 心臓 | 4つの部屋と弁、冠動脈、刺激伝導系の位置 | 心周期、フランク・スターリングの法則、心電図 | 心筋のエネルギー代謝(脂肪酸のβ酸化) |
| 肺 | 気管支の分岐、肺胞、肺循環 | 換気、ガス交換、酸素解離曲線 | ヘモグロビンの構造、重炭酸緩衝系 |
| 腎臓 | ネフロン、糸球体、尿細管 | 糸球体濾過、再吸収、体液・電解質の調節 | 酸塩基平衡、尿素の排泄 |
| 肝臓 | 肝小葉、門脈、胆道 | 胆汁の生成、解毒 | 糖新生、尿素回路、脂質代謝 |
※代表例です。所属大学の講義資料で、各科目の到達目標と照らし合わせてください。
つまずきやすい理由
| 原因 | 起こりやすいこと | 対策 |
|---|---|---|
| 暗記量の急増 | 名称や経路を覚えきれず、試験直前に詰め込む | 臓器ごとに3科目をまとめ、関連づけて覚える |
| 実習試験への不慣れ | 解剖実習の口頭試問や組織学の鏡検試験で点が取れない | 実習中に構造を指し示しながら説明する練習をする |
| 試験の集中 | 複数科目の試験が短期間に重なる | シラバスで試験日を一覧にし、4〜6週前から逆算する |
| 前提知識の不足 | 生化学で化学の知識が足りず理解が止まる | 高校化学の該当単元(pH・緩衝液など)に戻って補う |
3科目をつなぐ学習法
おすすめは、臓器ごとに概念地図(コンセプトマップ)を作る方法です。中心に臓器を置き、構造・働き・分子の仕組みを線で結び、最後に「この仕組みが壊れたら何が起こるか」を書き加えます。最後の項目が、3年生の病理学への橋渡しになります。
刺激伝導系
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前負荷と拍出量
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主に利用
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心筋梗塞(3年生)
※説明用の例です。
- 現状把握:直近の小テストや講義資料から、説明できない項目に印を付ける
- 優先順位:試験日が近い科目 → 複数科目にまたがる重要臓器の順に取り組む
- 理解:臓器ごとに構造・働き・分子を自分の言葉でつなげて説明する
- 演習:過去問や小問を解き、誤答の理由を記録する
- 再評価:1週間後に概念地図を白紙から書き直せるか確認する
1週間の学習サイクル
※説明用の例です。実習や試験の日程に合わせて調整してください。
試験形式別の対策
| 試験形式 | よくある内容 | 対策 |
|---|---|---|
| 筆記試験(選択・記述) | 名称、経路、調節の仕組み | 定義と仕組みを自分の言葉で説明できるようにする |
| 解剖実習の試験・口頭試問 | 構造を指し示して名称や走行を答える | 実習中に指さしながら声に出して説明する |
| 組織学の鏡検試験 | 標本を見て組織・臓器を判別する | 特徴的な所見を3つずつ挙げて見分ける練習をする |
| レポート | 実験・実習の考察 | 結果→解釈→講義内容との関係の順に書く |
※試験形式・評価方法は大学によって異なります。シラバスの「成績評価の方法」を確認してください。
CES医科のマンツーマン指導
CES医科では、講師1人・生徒1人のマンツーマン指導で、医学部の進級・CBT・OSCE・卒業試験・医師国家試験まで、学習段階に応じた個別指導を行っています。2年生では、講義資料をもとに臓器ごとの概念地図を一緒に作り、試験日程から逆算した学習計画で、複数科目の試験が重なる時期を乗り切れるよう伴走します。
解剖学・生理学・生化学の試験対策や再試験の不安についてご相談ください。
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よくある質問
Q. 医学部2年生はなぜ留年が多いと言われるのですか?
A. 解剖学・生理学・生化学などの基礎医学が本格的に始まり、知識量と試験の数が一気に増えるためです。解剖実習や組織学実習の試験が加わる大学も多く、1年生の勉強のペースのままだと間に合わなくなりがちです。進級要件は大学ごとに異なるため、学生便覧で確認してください。
Q. 解剖学・生理学・生化学は別々に勉強してよいですか?
A. 試験は科目ごとですが、同じ臓器を「構造(解剖)・働き(生理)・分子の仕組み(生化学)」の3方向から結び付けて覚えると、暗記量が減り、3年生の病理学・薬理学にもそのままつながります。
Q. 解剖学の暗記がどうしても追いつきません。
A. 名称を単独で覚えるのではなく、「どこを通り、何を支配・栄養し、障害されると何が起こるか」をセットにすると記憶に残りやすくなります。図を自分で描いて名称を書き込む練習も効果的です。
Q. 2年生の内容はCBTや国家試験に出ますか?
A. 出ます。共用試験CBTや医師国家試験は医学教育モデル・コア・カリキュラムに沿って作られており、基礎医学の知識は病態や治療を理解する前提として繰り返し問われます。
Q. 過去問だけで定期試験は大丈夫ですか?
A. 出題形式の把握には役立ちますが、担当教員の交代や講義内容の変更で出題が変わることもあります。講義資料で理解したうえで過去問を使ってください。
確認テスト(10問・解説付き)
解剖学・生理学・生化学のつながりを確認する問題です。答えだけでなく、他の科目の知識で理由を説明できるか試してください。
Q1. 心臓の正常なペースメーカーはどこか。
解答:洞房結節
解説:刺激は洞房結節→心房→房室結節→ヒス束→脚→プルキンエ線維の順に伝わります。解剖(位置)と生理(伝導)を一緒に覚えましょう。
Q2. フランク・スターリングの法則とは何か。
解答:拡張末期容積(前負荷)が増えるほど、心筋の収縮力が増して1回拍出量が増える
解説:心筋が引き伸ばされるほど強く収縮する性質です。心不全の病態理解の土台になります。
Q3. 糸球体濾過量(GFR)を正確に測定するために用いられる物質は?
解答:イヌリン
解説:イヌリンは糸球体で自由に濾過され、尿細管で再吸収も分泌もされないためです。臨床では近似としてクレアチニンが使われます。
Q4. ヘモグロビンの酸素解離曲線を右方移動させる因子を挙げよ。
解答:体温上昇、PCO₂上昇、pH低下(アシドーシス)、2,3-BPG増加
解説:右方移動は組織で酸素を放しやすくなる変化です。運動中の筋肉をイメージすると覚えやすくなります。
Q5. 好気的条件下での解糖系の最終産物は?
解答:ピルビン酸
解説:ピルビン酸はミトコンドリアでアセチルCoAになりクエン酸回路へ進みます。嫌気的条件下では乳酸になります。
Q6. 脂肪酸のβ酸化が行われる主な細胞内小器官は?
解答:ミトコンドリア
解説:心筋は主なエネルギー源として脂肪酸を利用します。生化学と臓器の機能を結び付ける好例です。
Q7. 尿素回路が働く臓器は?
解答:肝臓
解説:アンモニアを無毒な尿素に変えます。肝不全で高アンモニア血症が起こる理由につながります。
Q8. 左反回神経が反回する(下をくぐる)構造は何か。
解答:大動脈弓
解説:右反回神経は右鎖骨下動脈の下を反回します。大動脈瘤や肺癌で嗄声が起こる理由を、解剖から説明できます。
Q9. 神経細胞の静止膜電位を主に決めているイオンは?
解答:K⁺(カリウムイオン)
解説:静止時の細胞膜はK⁺の透過性が高いため、膜電位はK⁺の平衡電位に近くなります。高カリウム血症で不整脈が起こる理由にもつながります。
Q10. インスリンを分泌する細胞は?
解答:膵臓ランゲルハンス島のβ細胞
解説:グルカゴンはα細胞、ソマトスタチンはδ細胞から分泌されます。糖代謝(生化学)とホルモン調節(生理)をつなぐテーマです。
参考情報
- 厚生労働省|共用試験(医学)のホームページ(医学教育モデル・コア・カリキュラムへのリンクあり)
- 公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)
- 各大学の最新シラバス・学生便覧・試験要項
※本記事は一般的な学習情報です。科目配当・試験時期・進級基準は大学ごとに異なるため、所属大学のシラバス・学生便覧・試験要項を優先してください。試験制度の数値は記事末尾の公式情報で最新版をご確認ください。
執筆・編集:CES医科 講師チーム
監修:岩崎 陽一(株式会社アクト 代表取締役)。医学部・医療系国家試験の指導に30年以上携わる。
最終更新日:2026年10月30日
