医学部模試・医師国家試験の1週間前対策|当日に実力を発揮する10の行動プラン

医学部模試・医師国家試験の1週間前対策プラン

模擬試験は単なる「練習」ではなく、自分の現状を可視化する貴重なチャンスです。

しかし、多くの受験生が直前1週間を「勉強量を詰め込みすぎて体調を崩す」「睡眠不足で本番を迎える」という失敗パターンに陥りがちです。

ここでは、模試・国家試験本番の1週間前から当日までの具体的行動プランを、時間帯別・目的別に整理した「10のシナリオ」として紹介します。

「勉強・体調・メンタル」の3本柱を整えることで、本番で100%の力を発揮できる準備が整います。

【7日前】シナリオ① 弱点リストの”圧縮”

模試1週間前に必要なのは「新しい知識の詰め込み」ではなく、「落とせない知識の整理」です。

過去の模試・演習問題を見返し、「間違えた理由」を明確化した弱点ノートを作成しましょう。

この時期は「復習の量」よりも「復習の粒度」を意識するのがコツです。

【6日前】シナリオ② 頻出分野を”疾患単位”で総点検

この日は「出題頻度が高く、かつ忘れやすいテーマ(例:心不全、腎不全、DIC、糖尿病、感染症、妊娠高血圧症候群など)」を疾患単位で復習しましょう。

病態→検査→治療の流れを整理しておくことで、模試中の思考スピードが上がります。

【5日前】シナリオ③ 模試想定で”時間配分”リハーサル

1回分の模試を本番同様の時間で通して解いてみましょう。

解き終わった後に「どの分野で時間を使いすぎたか」「迷った問題を見返す余裕があったか」を分析することも重要です。模試は知識はもちろんのこと、「時間戦略」も確認する場にしましょう。

【4日前】シナリオ④ 「休息日」をあえて設ける

意外かもしれませんが、計画に予備日を設けることで体調不良やメンタルの不調時に対応することができます。

国試本番前であれば試験会場の下見などを行う日として睡眠リズムを調整しましょう。夜更かし・朝寝坊を繰り返している人は、この日から模試当日の起床時間に合わせることを徹底しましょう。

【3日前】シナリオ⑤ 「午前・午後・夜」別の行動計画を確認

模擬試験や特に国家試験本番では、忘れ物による焦りがコンディションを左右します。そのため、早めの段階で国家試験本番に持参する荷物を整理するようしましょう。以下のように予定立てることで演習時間を削ることなく準備ができます。

午前:CBTや過去問の短文演習(集中力のピークを確認)

午後:見直しノート整理(暗記+思考の再確認)

夜:模試前日・当日の持ち物リスト作成

前日・当日の行動を可視化しておくことで、試験当日に慌てることがなくなります。

【2日前】シナリオ⑥ 「直前暗記リスト」を仕上げる

苦手な数字・統計・定義・薬剤名などを「最終確認ノート」にまとめましょう。

A4用紙1〜3枚、10分で見返せる程度に圧縮するのが理想です。

暗記するのはもちろんのこと、「見返すだけで安心できるリスト」として使うのが目的です。模擬試験ごとに作成しておけば、国家試験の際に時間短縮して作成することができます。

【1日前】シナリオ⑦ “前夜は勉強しない”を意識する

前日は「勉強量を稼ぐ」ことよりも「体調維持」を心がけることが重要です。

軽く総まとめをするのは構いませんが、夜は23時前就寝+7時間睡眠を目安にしましょう。寝る直前にスマホを触るのは避け、模擬試験や本番をベストなコンディションで迎えられるようにしましょう

【当日朝】シナリオ⑧ 「朝食・移動・ルーティン」を一定化

模擬試験や本番の際は、自分なりのルーチンを決めておくことが安心につながります。例えば以下の内容を心がけて試験当日にイレギュラー要素を極力避けましょう。

朝食:いつも通りのメニュー(おにぎりや果物など)で胃腸を安定させましょう。

持ち物:受験票、時計、鉛筆、鉛筆削り、糖分補給できるもの、飲料水、防寒具は最低限持つようにしましょう。

移動:遅延リスクを想定し、会場に30分前到着を目安にしましょう。早めに起きることで眠気覚ましにもなります

また、本番の前は新しい暗記ではなく確認リストの読み返しのみにとどめましょう。

【試験中】シナリオ⑨ 「切り替え」を意識した時間管理

迷ったりわからない問題はすぐに暫定解答を決めて次の問題に進むようにしましょう。

60問中10問は捨ててもいいという感覚で、模擬試験や本番時に焦りを抑えるようにしましょう。

昼休みは他の人と答え合わせをせず、軽く食事+深呼吸+目を閉じて5分休憩がベストです。

【試験後】シナリオ⑩ 「模試の復習は翌日に、冷静に」

模擬試験の受験後はなるべく早めに復習を行うようにしましょう。復習の目的は「落ち込むこと」ではなく、「知識・思考の修正」であるため、解答の記憶が残っているうちに復習することが修正には効果的となります。

間違いの理由を言語化することが、次の模試・本番での成長につながります。

【まとめ】本番で実力を発揮するためには念入りな準備が不可欠

直前1週間の目的は「新しい知識を詰める」ことではなく、本番での自分を最高の状態に整えることです。この1週間を「焦るため」ではなく「戦略を練る最終段階」として使いましょう。そうすることで模擬試験や実際の国家試験本番を安定した状態で迎えられることとなります。

 
著者プロフィール

東大医学部卒講師(現役医師)

略歴:

PMD医学部専門予備校およびCES医師国家試験予備校で講師として指導中。
医学教育・国試対策に関する豊富な実務経験をもとに監修・執筆を担当。