医学部再試験が怖い人へ|通知後1週間の対策で進級・卒試まで巻き返す戦略
1. 再試通知が届いたら最初の24時間でやるべきこと
再試の本当の勝負は「勉強量」ではなく、最初の24時間の方針決定です。
① シラバス・到達目標・試験範囲を再確認する
多くの医学部では、再試についても本試験と類似した問題が出題されることが多いです。また、卒業試験は大学ごとの試験であるため各大学の講義資料や先生方の専門分野から出題されることも珍しくありません。まずは本試験や講義資料等を振り返ることで「再試で何が出る可能性が高いのか」を特定し、勉強範囲を絞ることが第一歩です。勉強範囲を徒に増やしても、再試までにすべてが終わらない可能性が高く逆に焦りを生み出します。
② 落とした理由を冷静に分析する
本試験に落ちた理由としては
- インプット不足
- 過去問を回していない
- 直前の詰め込み失敗
- そもそも手が回っていなかった
など、様々な理由が考えられます。原因が違えば今後講じるべき対策も異なるため、まずはなぜ本試験に落ちたかの理由を明確化しましょう。闇雲に対策を講じても本試験の失敗の二の舞いとなってしまいます。
③ 再試に向けて「生活習慣」を決める
再試に向けて猛勉強を行いたいところですが、当然留年の2文字を控えている中の焦りは集中力を削りがちとなります。勉強を行うにしても、本番で体調を崩しては意味がありません。本番で最低でも8割のパフォーマンスを出すために、遅くとも試験の2日前から生活リズムを整えることは必須となります。
2. 1週間で点が取れる「再試特化の学習スケジュール」
多くの医学部生が経験する「再試までの僅かな期間での試験対策」。
最も効果的な学習法は以下の通りです。
1〜2日目:出題範囲の整理+重要項目のインプット
本試験の解答解説や過去の講義資料を用いて最低でも
- シラバスの”太字”
- 各講義の核心スライド
- 過去問で毎年出るテーマ
- 以上に関連した国試の過去問
は押さえるようにしましょう。多くの得点は過去自分で勉強した範囲、大学側が出題した範囲に集中しているはずです。
3〜4日目:過去問→解説→暗記の徹底
再試までの短い対策時間で最も点につながるのは過去に行ったものの反復です。
特に以下を重点的に行うようにしましょう。短い対策時間では以下のことが最も効率的な手段となります。
- 卒試等の過去問の選択肢ごとの知識整理
- 同じ論点の類題を集めて「縦復習」
- 講義資料の該当箇所に遡って理解
5〜6日目:弱点潰し+”100点ではなく合格点”を狙う
再試は満点を取る必要はない試験です。落ちてはならない試験であるという性質上対策を完璧に行いたくなりますが、必要なのは合格ラインを確実に取る対策となります。そのため、対策は一部の範囲を深く行うことよりも「広い範囲をまんべんなく行う」ことが最重要となります。
- 間違った問題をノート1ページに凝縮
- 覚えにくい用語は語呂合わせでも良いので詰め込む
- 苦手科目ほど時間を多めに配分
等の対策を行い、基本知識問題での「取りどころ」となる問題で失点がないようにしましょう
7日目:本番と同じ形式でアウトプット
再試の際は本試験よりも「留年」のリスクが迫っていることから、試験時にも焦り勝ちとなります。そのため、本試験の時よりも念入りな試験のシミュレーションが大切となります。緊張によるコンディション不良を避けるため、
- 本番時間で演習
- 前日夜は詰め込みより睡眠を優先
- 怪しい部分だけ最終チェック
を行うことで冷静に試験を受けられるようにしましょう。
3. 卒試や国試・CBT・OSCEに向けた確実な勉強法
卒業試験や進級試験などの再試験合格後こそ、次の試験に向けた計画が必要です。
国試、CBTなど「一度の試験で結果が決まる公的な試験」では、卒試よりも更に緊張します。そのため試験の6〜9ヶ月前から本格的な対策に動くのが最適となります。再試験となった反省を次に活かし、早期の対策を始めるようにしましょう。
まとめ:再試は追い詰められる状況であるが、今後の勉強方針の軌道修正チャンス
医学部の卒業試験の再試は、多い大学では同期の半分が経験する試験となります。対策において大事なのは以下の4点となります。
- 最初の24時間で範囲を絞る
- 自身の弱点を振り返り、合格点に最速で届く対策方法を自分なりに練る
- 再試後すぐに国家試験等などの次に迫る大きな試験へ向けて逆算する
- 自力で破綻するなら大学の同期や先生に相談する
再試をきっかけに学習法を見直した学生は、その後は安定した成績を取り続けるケースも珍しくありません。再試は、以降の勉強法を見直すきっかけとなり得ます。まずは眼前の再試験を乗り切るために、今日から1つずつやるべき対策を始めましょう。
