USMLE Step2 CK勉強法|”ケースの試験”を攻略する5つの訓練法
─ NBME的思考のパターンを理解し、選択肢に惑わされない力をつける。
USMLE Step2 CKとは?
─ 試験の位置付けと重要性
USMLE Step2 CKは、USMLE全3段階のうち第2段階に位置づけられる試験です。米国ではMedical School最終学年で受験され、日本における医師国家試験に近い位置づけと考えることができます。
本来、USMLE Step2は臨床知識を問うComputer-based testであるCK(Clinical Knowledge)と、模擬患者に対して英語で診察を行うCS(Clinical Skills)の2つで構成されていました。しかし、新型コロナウイルス流行によりCSは中止され、現在は代替として医療英語能力を評価する試験であるOETが用いられています。
2021年にUSMLE Step1がスコア制から合否制へ移行したことで、レジデンシー応募におけるStep2 CKの重要性は飛躍的に高まりました。現在では、応募者を定量的に比較できる最も重要な指標がStep2 CKであり、特にレジデンシーを目指す場合には、高得点を狙うことが強く推奨されています。
Step2 CKは「試験範囲」の把握が難しい試験です
試験勉強において「知っているべき事柄の範囲」は、大きく「幅」と「深さ」の2軸に分解できます。「幅」とは、どれだけ多くのトピックをカバーするかであり、「深さ」とは、各トピックをどこまで理解するかを意味します。さらに、それぞれに最低限必要な「必要ライン」と、知っていればアドバンテージになる「十分ライン」が存在します。
Step1では、First AidとUWorldを軸に学習することで、この幅と深さをほぼ過不足なくカバーすることが可能でした。一方でStep2 CKでは、単一の教材だけで試験範囲を完全に把握することは困難です。複数の問題集や模試を組み合わせながら、「どこまでが必要ラインで、どこからが上積みなのか」を自分なりに見極めていく必要があります。
Step2 CKは「アルゴリズム暗記」に囚われてはいけません
Step2 CKでは、診断や治療のアルゴリズムが頻繁に登場します。そのため、アルゴリズムを丸ごと暗記したくなりがちですが、それだけでは不十分です。
本当に重要なのは、各アルゴリズムが何を判断基準として分岐しているのか、すなわちDriving forceやKey questionを理解することです。
本番の試験では、問題集やガイドラインに掲載されているアルゴリズムの分岐点が、そのままの形で問われるとは限りません。特定の問題集の形式やアルゴリズムに過度に適応してしまうと、本番で感覚のズレが生じ、得点が伸び悩む原因になります。常に「この分岐で医師は何を考えているのか」を意識しながら学習することが重要です。
薬剤説明問題への対策がスコアを左右します
Step2 CKは、Step1と比べて問題文が非常に長く、速読力が強く求められます。中でも特徴的なのが、連問形式で出題される薬剤説明問題です。
薬剤の添付文書や、臨床試験結果を示した論文のアブストラクトを読ませ、その内容に基づいて2〜3問解答させる形式であり、文章読解力に加えて、グラフの素早い理解や、問われている要素の即時抽出といった高い情報処理能力が要求されます。
対策としては、こうした文書の「型」をあらかじめ理解しておくことが重要です。また、Step1のPublic Healthで学ぶ疫学用語(リスク比、オッズ比、信頼区間など)を、具体例と結びつけて実感を持って理解しておくことで、読解スピードと正答率が大きく向上します。
「Benignだが難しい」問題への向き合い方
Step2 CKでは、Step1ではほとんど見られなかった疾患や、市販のサプリメント、ハーブに関する問題が出題されることがあります。これらは病態生理的に複雑なわけではなく、一度理解すれば難しくないものが大半です。しかし、種類が非常に多く、どこまでが試験範囲なのかを把握しづらい点が厄介です。
高得点を狙う場合には、一つの問題集に固執せず、複数の問題集やUSMLE関連のポッドキャストなどを活用し、幅広いトピックに触れることをお勧めします。知識の「深さ」だけでなく、「幅」を意識的に広げていくことが、2CK攻略の鍵となります。
まとめ
臨床判断を磨く5つの訓練法
- 試験範囲の「幅」と「深さ」を意識し、複数の教材・模試を組み合わせて把握する
- アルゴリズムの丸暗記ではなく、Driving force・Key questionを理解する
- 薬剤説明問題の「型」を理解し、疫学用語を具体例で身につける
- Benign but difficultな問題に備え、ポッドキャスト等で知識の幅を広げる
- 「この分岐で医師は何を考えているのか」を常に意識して学習する
USMLE Step2 CKは、単なる知識試験ではなく、臨床医としての思考過程や情報処理能力を問う試験です。試験範囲の広さに戸惑うこともありますが、本質を見失わず、アルゴリズムの背景や判断基準を意識した学習を続けることで、着実にスコアは伸びていきます。Step2 CKは、戦略次第で大きく差がつく試験です。焦らず、しかし計画的に準備を進めていきましょう。
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CES講師:T先生
T先生は、東京大学医学部を卒業された医師です。
日本の医師免許に加え、アメリカの医師免許も保持されています。CES医師国試予備校のUSMLEコース講師。USMLE のStep 1対策からレジデンシーマッチング対策まで、幅広く担当されています。
その指導は、丁寧でわかりやすく生徒から高い評価を得ています。

