【医学部で学ぶということ】臨床実習:小児外科

 

小児外科の実習が終わりました。

 

小児外科が対象とする疾患には先天奇形やヘルニア、異物誤嚥などがあります。

小児科と同じく、大人では少ない病気が多く、専門性の高い外科です。

 

 

今回も前回の小児科と同じく、新生児の担当となりました。

胎児診断技術の向上により、胎位の異常や循環器系の奇形などが生まれる前から分かるようになっています。

ハイリスクな胎児を妊娠している妊婦は、出産予定日が近づくと高度な医療設備のある病院へ入院し、予定帝王切開などを行います。日中のスタッフが充実している時間帯に出産を行うことができるため、安全に出産することができ、赤ちゃんの生存率も高くなります。

早産の可能性があれば、薬剤を用いてなるべく胎内に留める治療を行うこともできます。

 

 

今回見学した予定帝王切開の手術でも、取り上げられた赤ちゃんは横でスタンバイしていた小児科の先生(前週に指導してくれた先生でした)が即座に気管挿管を行い、保育器に入れてNICU(新生児集中治療室)へ運んでいきました。

スピードが勝負なので、帝王切開が約5分(ざっくざく切ってて超速い!)、挿管やルート取りなどの処置で約5分とあっという間でした。素晴らしい連携です。

 

NICUでは体温・血圧・心拍・酸素飽和度などのバイタルがモニタリングされ、温度・湿度が厳格に管理された中で治療されます。循環器系の異常を抱えた赤ちゃんは、非常に危険な状態にあるため、状態を安定させてから手術が行われます。

病状によって手術をいつ行うかが判断され、それが数日後のこともあれば、数か月・数年後のこともあります。どんどん成長していく赤ちゃんの場合、成長にあわせて再手術が必要になることもしばしばあります。

 

 

医療技術の向上により、出産前から対策を打てば救命できる赤ちゃんが増えてきました。

それなのに、妊婦健診をろくに受けずに、危険な状態になってから救急搬送されてくる妊婦もいます。

夜間でスタッフが少ない状態で今回のような連係プレーを行うことは難しく、結果的に母児ともに危険にさらされてしまいます。

妊婦健診は赤ちゃんが大きくなるのを見るためだけのものではなく、母児の安全のためでもあるのです。

 

今回も新生児だったため聴診器を使った診察はできなかったのですが、小児外科と小児科の華麗な連係プレーを見れて良かったです。

 

 

次は薬剤部を回ります。

 

 

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