【医学部で学ぶということ】臨床実習:救急科
救急科の実習が終わりました。
救急科の実習の期間には、夜間の消防署の当直実習と病院の当直実習が含まれています。5日間の間に家に帰れない日が2回もあるのです。もちろん当直明けが休みになることはなく、朝7:30から夕方まで実習が入っています。なかなかハードな実習スケジュールです。
救急車で運ばれてくる人は様々です。脳卒中や心臓病で倒れた人、交通事故などの外傷の人、高熱を出した子供、激しいアレルギー症状(アナフィラキシーショック)の人などなど。
救急科の役目は、こうした緊急の処置を要する患者を預かり、応急処置を施して状態を安定させたうえで、専門の科へ患者を引き渡すことです。
病院での実習では、搬入されてきた患者の処置を見学しレポートを作成したり、救急シミュレーション用の人形を使って胸骨圧迫を練習したりしました。
レポートは患者ごとに作成する必要があるので、20枚近くになり結構大変でした。人形は高性能なものらしく、胸骨圧迫の強さや速さが適切かどうかを点数をつけて教えてくれます。
また、心電図をつけると心筋梗塞や心房細動などの波形を映し出すこともできます。
消防署の実習では、日替わりで一人ずつ消防署へ赴き、消防隊員と一緒に救急車に乗り込んで現場へ同行します。
どのように患者を収容し、病院へ搬送するのかを目の前で体験できるため、とても興味深い実習でした。
福岡は救急体制が優れており、救急車到着、搬送までの時間は主要都市の中で最も短い水準にあります。実際にどれも出動から5分以内に現場に到着し、その後10~15分程度で病院に運ばれていました。
僕の時には一晩で4回の出動と少なかったのですが、多い時には10回出ることもあるそうです。曜日や季節によって違いがあり、金曜日は泥酔が多い、冬は心臓病が多い、といった傾向があります。
救急は研修医のローテーションにおいて必須となっている重要な科です。
研修先を選ぶときの要件の一つに学生がよく挙げるのが、救急の技術を身に着けられる環境が整っていることです。医師たる者、いざというときに最低限の対処はできるようになっておきたいですね。
次は小児科をまわります。