【医学部で学ぶということ】臨床実習:眼科

 

眼科の実習が終わりました。

 

眼科は毎回実習が午前中に終わるので楽だと聞いていましたが、まさにその通りでした。

 

眼科というと目の検査をして薬を出すような、内科医っぽいイメージを持っているかもしれません。

しかし大学病院の眼科は外科手術がメインです。大学病院の眼科で多い病気は、白内障、緑内障、網膜剥離、糖尿病網膜症、網膜色素変性などです。

ベーチェット病やサルコイドーシスといった自己免疫性疾患の患者もいます。

 

中でも白内障は高齢化に伴い患者が多くなってきています。

白内障は目の水晶体(レンズ)が白く濁ってしまう病気です。古くから知られており、古代ギリシアでは水晶体を針で突っついて目の奥に落とし込むことで治療していたそうです。

現在では、水晶体の中身を吸い取った後、細長い筒状に丸めた人工レンズを挿入する手術を行っています。手慣れた術者であれば15分程度て行うことができる簡単な手術で、安全性も高いです。

診療点数が高めに設定されている(昔は胃の摘出手術と同じ診療点数だったとか)こともあり、開業医の中には一日に何件も手術を行い、たくさん稼いでいる人が大勢いるそうです。

 

マイナー科と見なされている眼科ですが、実はホットな分野でもあります。

iPS細胞の臨床試験が一番初めに行われたのは、加齢黄斑変性という網膜の病気に対してです。

また、この病気の治療薬として最近使われるようになった抗VEGF薬はうちの大学病院で最も売れている薬だそうです。

目は検眼鏡で除けば簡単に状態が分かるので、治療法の開発が行いやすく、大学や製薬会社の研究者などにとっては研究を進めやすい部位なのです。

 

次は救急科です。

 

 

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