【医学部で学ぶということ】医療面接の実習がありました。
今日は学校で医療面接の実習がありました。
医療面接というのは、医療業界に就職するための面接のことではなく、医師が患者に対して行う問診のことです。実際の現場では各々の医師のやり方があって一様ではありませんが、教科書的には手順が細かく決まっています。4年の最後に行われるOSCEという共通試験では、この手順に沿って医療面接を行うことができているかどうかがチェックされます。ポイントをまとめると以下のようになります。
A) 症状を正確に漏らさず聞く
患者さんから主訴を聞いた後、医師がさらに情報を得るために質問すべき項目が必須7項目として決まっています。
- どこに痛みがあるか(Location)
- どのような痛みか(Quality)
- どれくらい痛いか(Quantity)
- いつから痛いか(Timing)
- どんな状況に痛くなるか(Setting)
- 悪くなったり良くなったりするきっかけはあるか(Factor)
- 他の部位に症状はないか(Associated Manifestation)
B) 患者さんの生活を知る
病状について聞いたら、何が原因でそれが起きたのかを推測しなくてはなりません。そのために患者さんの生活について質問します。
- 生活習慣について: 喫煙、飲酒、排便、排尿、睡眠、食欲、体重の増減、女性の場合は生理
- 家族について: 家族構成、家族の病歴、人間関係
- 職場について: 職業、労働環境、人間関係
- 病歴について: 病歴、薬剤歴、アレルギーの有無、他院を受診したか
C) 気配りを忘れない
あいさつ、あいずち、悩みへの共感、など患者さんが話しやすいような雰囲気を作り上げることも重要です。ただし、あまりに気を使いすぎて、あいずちを打ちすぎたり、わざとらしすぎるのも逆に話しづらくしてしまうので注意しなくてはなりません。
これらA、B、Cに気をつけつつ、カルテの記入も行わなくてはいけないため、思った以上に大変でした。
慣れれば充分こなせそうではあるのですが、他にも試験項目はたくさんあるので、医療面接ばかりを練習するわけにもいきません。OSCE本番までに練習できる回数を考えると、少し不安なところもあります。幸いなことに僕の実習班は真面目で優秀なメンバーがそろったため、彼らに負けないようにがんばりたいと思います。