【医学部で学ぶということ】研究室配属(1)
私の学校では6年生の4月には研究室配属があります。
たくさんある研究室の中から各自が興味のある分野を選んで希望を出し、学務課が人数調整をして配属されます。
私は産学連携をテーマとする研究室に配属されました。
大学では様々な研究を行っていますが、実際に成果が実用化される例は多くありません。
理学部など基礎寄りの分野ではある程度仕方ない部分もあるのですが、工学部や医学部のような比較的実用化につなげやすいと思われる分野でもなかなか実用化されません。欧米と比べて、日本は特にこの傾向が強いです。
なかなか実用化に結び付かないのには、いくつかの理由があります。
主だった理由の1つ目は、そもそも研究内容が実用化するほどのインパクトに欠ける、もしくは悪くはないが社会のニーズに合っていないケース。
2つ目は研究テーマや成果は良いが、特許取得や臨床試験など実用化までのプロセスが煩雑すぎて、研究者も企業も消極的なケース。3つ目は実用化可能だが、採算性が悪く(患者数が少ない、患者の所得を考えると価格を安価にせざるを得ない)、協力企業を見つけられないケースです。
せっかく研究した成果が社会に出ないのはもったいないですから、近年は大学等の研究機関と企業との連携を強めようという動きが活発になっています。
私の大学を含め、多くの大学が産学連携を促進する部署を用意しています。
具体的には、実用化されるためにはどのように研究を進めるべきなのか(テーマの選び方、特許の取得など)を研究者側に周知する、特許取得やデータ管理、企業とのネットワーク構築などをサポートする、といった活動をしています。
今回の研究室配属では、医学研究の倫理審査を見学したり、関係者の会議に同席したり、企業訪問や展示会への参加したりしながら、産学連携の現場を勉強しました。同時に、実際行われている研究テーマ(シーズ)をどのように実用化していくかについて計画を立てたり戦略を練ったりする課題も与えられました。
次回からは、これらそれぞれについてどのような勉強をしたのかを紹介していこうと思います。