【医学部で学ぶということ】臨床実習:心療内科

 

心療内科の実習が終わりました。 精神科、心療内科、神経内科の3つは、一般の人からは区別のつきにくい診療科です。
簡単に言えば、精神科は心の病気(例:うつ病や統合失調症)、心療内科は心+体の病気(例:ストレスで胃潰瘍)、神経内科は神経という臓器の病気(例:手がしびれて動かない)、をそれぞれ扱います。

実際には、精神科と心療内科は重複する部分が多いため、両方の知識を備えている医師が多いです。

 

心身にストレスがかかることにより生じる症状は、消化器の異常、皮膚の異常、痛み、寒気、など人によって様々です。検査上は明らかな異常がないにもかかわらず、症状が現れることもしばしばです。投薬など医学的な治療だけを行っても、根本にあるストレス原因が解消されない限り、効果が少なかったりすぐに再発してしまったりします。

医療者側としては、ストレスの原因にまで介入して解決することは困難なので、薬で症状を和らげつつ、患者本人が原因解決のための気力を養う助けを行います。多くの場合、半年~数年の時間をかけてじっくり治療していくことになります。

 

 

心療内科と精神科では、臨床心理士が重要な役割を担っています。

彼らは心理学の知識を活かして、患者のケアを行います。心理テストの結果を分析したり、ストレスを和らげる訓練を行ったりします。臨床心理士の資格取得のためには、大学院で心理学の修士号を取ることが要件となっており、他のコメディカルと比べて専門性の高い職種となっています。

私の大学の心療内科では対等に仕事をしようというポリシーがあるそうで、医師とともにカンファレンスにも参加して、治療方針を立てる側として活躍していました。

 

心療内科でも患者を受け持って、問診などを行いました。

心身症を抱える患者なので、普段以上の注意をもって接する必要がありました。他の科では共同病室の中で問診を行うことが多かったですが、心療内科の患者の場合はプライバシーに配慮して個室で行いました。

事前に指導医の書いたカルテをよく読み、それらを踏まえた上で問診したため、まだ聴取できていなかった事柄も含めて詳しく聞き取りを行うことができました。

 

外来実習では、学生が診察を行いました。

聞き漏らしなくスムーズに問診をするというだけでも一苦労なのですが、心療内科を受診する患者の場合は心への気配りも意識しなくてはならないため、いつもにまして大変でした。

その後、同じ患者を教授が診察する様子を見学したのですが、優しく頼れる雰囲気があり必要な情報を的確に聞き出していました。信頼関係がないうちは質問しても話してくれない情報があるため、医師が信頼される雰囲気であることは心療内科ではとても重要です。経験を積んで自信をつけ、どっしり頼れる医師になりたいものです。

 

 

次回は精神科です。

 

 

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