【医学部で学ぶということ】臨床実習:小児科
小児科の実習が終わりました。
小児科の病棟は動物の絵が壁や扉に書いてあったり、アンパンマンの飾りが貼ってあったり、子供が楽しく過ごせるように工夫されています。ビデオを見たり、おもちゃで遊べたりするプレイルームもあります。
廊下を歩いていると話しかけてくれる子もいて、他の科と比べると随分と明るい雰囲気です。
町の小さな病院の小児科では風邪や中耳炎などの感染症や、ワクチン接種のために来院する患者が多いですが、大学病院では白血病や骨腫瘍など数万人に一人程度の珍しい症例がたくさん集まってきます。
意外に思うかもしれませんが、子供にもがんが発生することがあり、小児期の死因の上位に入っています。
主なものとしては、白血病、脳腫瘍、神経芽腫、悪性リンパ腫、腎芽腫などがあり、大人ではまれなものばかりです。逆に胃がんや肺がんなど大人がよく発症するがんは、子供にはみられません。
もう一つ大人のがんと異なるのは、これらの多くに抗がん剤や放射線療法がよく効くため、治るケースが多いということです。子供は免疫力が弱く感染症にはかかりにくい反面、体に備わっている治癒能力は高く、がんに限らず多くの病気や怪我に対して高い回復力を発揮します。人間は上手く作られていますね。
今回の実習では新生児の担当になりました。
これもまた意外に思うかもしれませんが、小児科の入院患者の多くは乳幼児が占めています。
逆に言えば、危険な乳幼児期を脱してしまえば、大きな病気をすることは少ないということです。治療が必要になる乳幼児は、未熟児であったり、臓器の奇形があったりする子供たちです。
こうした子供たちは保育器の中に入っていることが多く、そうでなくても感染症に弱いため、通常学生は触らせてもらえません。
新生児は温度、湿度、筋やウイルスなど外界の環境に適応する能力が未熟なため、医療者側がしっかりとこれらから守って挙げる必要があるのです。
診察ができないのは残念でしたが、血圧・心拍・体温など全身状態のコントロール方法をよく学ぶことができました。
小児科は忙しい科の一つではありますが、女性医師が多くいるため、女性が働きやすい環境が整っている科の一つでもあります。
子供が好きな女子学生は是非検討してみるといいと思います。
次は小児外科をまわります。