【現役医学部生のブログ】医学部生の生活:六年生
6回連続の記事も今週で最後ですね(^^)
ということで最終学年の六年生についてまとめたいと思います。
先週の記事で、「五年生という学年は病院実習に始まり病院実習に終わる」と書きましたが、六年生でも病院実習は行われます。厳密には五年生の実習と六年生の実習はやや異なり、五年生では「ポリクリニック」略して「ポリクリ」と呼ばれる、見学が主体の実習が行われ、六年生では「クリニカルクラークシップ」略して「クリクラ」と呼ばれる、医療チームの一員として診察や治療に参加することが主体となる実習が行われます。
大学によって時期はやや異なりますが、実習が夏から秋頃まで行われた後は学校の授業そのものは終了となります。その後は卒業試験、医師国家試験と続き、最低でも卒業試験を突破すれば、医学部生活は終了となります。
ここでおそらく疑問に思われるのが、「医学生の就職活動はどのようになっているのだろう?」ということでしょう。
医学部卒業後の進路について、今回はその中で最も一般的である医師となる場合に絞って話をしていきます。
そもそも、現行制度下では医学部卒業後に医師を目指す場合は研修医として2年間の業務経験が必要になりますが(もちろん、研修医も扱い上は医師です)、この研修医としての就職方法とその後の医師としての就職方法は全く異なります。医師としての就職方法は細かいものまで含むと多彩にありますので今回は省略しますが、研修医として就職する場合は99%の人がマッチングという制度を利用することになります。
マッチングとは学生側の希望と病院側の希望をマッチさせるために行われている制度で、学生側が提出する就職希望の病院の順位と病院側が採用を希望する学生の順位を照らし合わせて、最も参加者全員の希望に近い形になるように組み合わせが行われます。
学生は事前に病院の見学などに伺い、その上で7~8月に病院毎に行われる採用試験を受験します。病院側はその結果を受けて学生の採用希望順位を決定し、学生側も最終的な希望順位を決定します。両者の希望がマッチするかは実力と運次第であり、残念ながらマッチせずに漏れた人は二次採用を受験することになります。
以上のようにして、卒業、就職の壁を超えて初めて、医師としてのキャリアを歩み始めることが出来ます。もちろん、医学生の就職活動はそれ以外の学生と比べると、負担が少なく、就職先がないといったことにはなりませんが、医師という職業の性質上、キャリアプランは自分自身で考え、組み立てていく必要があるので、この第一歩から誤ると、以降の医師人生に大きな影響を及ぼしかねません。
たかが研修医と思わず、熟慮に熟慮を重ねて進路を決めたいものですね(^^)
このように医大生は大変な長い期間を費やさなければいけません。急がば回れの精神を持って、入学前にもきちんと勉強する事も同時に必要となってきます。