医師国家試験第120回結果発表:合格者数、解答、大学別合格率の推移

2026年3月 結果発表

医師国家試験 第120回
合格者数・解答・大学別合格率の推移
厚生労働省発表データをもとに詳細解説
全体合格率(第120回)
91.6
前回 92.3% から低下
新卒合格率
94.7
前回 95.0%
既卒合格率
54.6
新卒比 −40.1pt
令和8年2月7日(土)および8日(日)に実施された第120回医師国家試験の合格者が、3月16日に厚生労働省より発表されました。今回の全体合格率は91.6%で、前回第119回の92.3%から0.7ポイント低下しました。一方で、新卒合格率は94.7%と引き続き高水準を維持しており、医師国家試験全体としては依然として「高合格率時代」が続いているといえます。

第120回医師国家試験の実施概要と合格状況

今回の試験では、出願者数10,244人、受験者数9,980人、合格者数9,139人でした。うち新卒者は受験者9,205人、合格者8,716人で、合格率は94.7%でした。全体では9割を超える合格率となった一方、既卒者全体の合格率は54.6%にとどまり、新卒と既卒の差は依然として大きいままです。

合格状況

区分 出願者数 受験者数 合格者数 合格率
新卒 9,422人 9,205人 8,716人 94.7%
全体 10,244人 9,980人 9,139人 91.6%

 

合格基準

第120回医師国家試験の合格基準は、前回までと同様でした。必修問題は総得点160点以上/200点、必修を除く一般問題・臨床実地問題は総得点224点以上/300点、禁忌肢問題選択数は3問以下とされています。制度自体は大きく変わっていませんが、受験生の体感としては「単なる知識量」よりも、臨床判断や応用力を問う出題への対応が一層重要になっている印象です。

過去の合格者数等の推移

第120回の合格率91.6%は、直近10年の中でも依然として高い水準です。ただし、前回第119回の92.3%からはやや低下しました。極端な難化というよりは、高水準を維持しつつも、受験者に求められる実力がより明確に反映された回と見るのが自然でしょう。

大学別合格率の推移

学校別合格者状況(厚生労働省発表)では、自治医科大学が2年ぶりに100%(新卒も100%)でトップに返り咲きました。続いて順天堂大学98.5%、国際医療福祉大学98.4%、北海道大学98.3%と、上位常連校が高い水準を維持しています。大学種別平均でも、国立93.0%、公立93.5%、私立92.5%といずれも高水準で、私立平均は20年前の84.7%から大きく改善しています。下位校であっても新卒90%超が珍しくない状況であり、全体として「高合格率時代」は続いています。もっとも、その一方で既卒者の壁は依然として厚く、全体合格率の見かけ以上に厳しい試験であることは変わっていません。

なお、新卒合格率100%は自治医科大学、北海道大学、京都大学の3校でした。既卒を含めた全体の数字だけを見ると“よく受かる試験”に見えますが、卒業年次別にみると既卒計775人中423人合格、合格率54.6%であり、新卒94.7%との差は非常に大きいのが現実です。

男女別の傾向

第120回の受験者は男性6,290人、女性3,690人で、合格者は男性5,729人、女性3,410人でした。合格率は男性91.1%、女性92.4%で、女性のほうがやや高い結果となっています。合格者に占める女性比率は37.3%で、近年の推移をみても女性医師の比率は着実に上昇しています。

大学別合格状況(第120回)

※()内は新卒者を示す

国立大学

大学名 受験者数 合格者数 合格率
北海道大学 117(109) 115(109) 98.3(100.0)
旭川医科大学 91(84) 85(82) 93.4(97.6)
弘前大学 124(113) 117(112) 94.4(99.1)
東北大学 120(113) 111(107) 92.5(94.7)
秋田大学 126(120) 122(118) 96.8(98.3)
山形大学 124(116) 113(109) 91.1(94.0)
筑波大学 142(137) 138(134) 97.2(97.8)
群馬大学 121(116) 116(114) 95.9(98.3)
防衛医科大学 90(85) 79(76) 87.8(89.4)
千葉大学 119(113) 110(108) 92.4(95.6)
東京大学 114(105) 110(104) 96.5(99.0)
東京科学大学 114(108) 110(105) 93.2(97.2)
新潟大学 137(126) 126(122) 92.0(96.8)
富山大学 112(105) 100(98) 89.3(93.3)
金沢大学 124(119) 111(110) 89.5(92.4)
福井大学 110(108) 106(106) 96.4(98.1)
山梨大学 136(124) 127(119) 93.4(96.0)
信州大学 112(103) 107(101) 95.5(98.1)
岐阜大学 95(90) 89(87) 93.7(96.7)
浜松医科 120(117) 115(113) 95.8(96.6)
名古屋大学 121(114) 112(109) 92.6(95.6)
三重大学 131(128) 124(123) 96.9(96.1)
滋賀医科大学 115(108) 109(106) 94.8(98.1)
京都大学 119(107) 114(107) 95.8(100.0)
大阪大学 102(94) 95(91) 93.1(96.8)
神戸大学 118(107) 107(104) 90.7(97.2)
鳥取大学 121(112) 111(107) 91.7(95.5)
島根大学 127(119) 116(111) 91.3(93.3)
岡山大学 122(115) 116(110) 95.1(95.7)
広島大学 137(122) 119(115) 86.9(94.3)
山口大学 132(121) 121(115) 91.7(95.0)
徳島大学 120(111) 112(107) 93.3(96.4)
香川大学 120(106) 105(97) 87.5(91.5)
愛媛大学 119(104) 110(101) 92.4(97.1)
高知大学 109(104) 99(97) 90.8(93.3)
九州大学 124(114) 117(113) 94.4(97.3)
佐賀大学 97(94) 89(87) 91.8(92.6)
長崎大学 136(127) 126(120) 92.6(94.5)
熊本大学 136(126) 121(116) 89.0(92.1)
大分大学 117(106) 107(102) 91.5(96.2)
宮崎大学 115(103) 110(100) 95.7(97.1)
鹿児島大学 125(118) 117(113) 93.6(95.8)
琉球大学 118(114) 109(108) 92.4(94.7)
総合計 5121(4776) 4765(4580) 93.0(95.9)

公立大学

大学名 受験者数 合格者数 合格率
札幌医科大学 112(105) 108(102) 96.4(97.1)
福島県立医科大学 126(124) 123(124) 97.6(97.6)
横浜市立大学 98(96) 91(91) 92.9(94.8)
名古屋市立大学 91(86) 85(82) 93.4(95.3)
京都府立医科大学 108(105) 98(97) 90.7(92.4)
大阪公立大学 99(95) 92(89) 92.9(93.7)
奈良県立医科大学 109(101) 101(98) 92.7(97.0)
和歌山県立医科大学 101(88) 91(83) 90.1(94.3)
総合計 844(800) 789(763) 93.5(95.4)

私立大学

大学名 受験者数 合格者数 合格率
岩手医科大学 149(136) 130(126) 87.2(92.6)
自治医科大学 116(115) 116(115) 100.0(100.0)
獨協医科大学 126(112) 114(105) 90.5(93.8)
埼玉医科大学 131(123) 123(117) 93.9(95.1)
杏林大学 107(101) 103(100) 96.3(99.0)
慶應義塾大学 115(110) 109(107) 94.8(97.3)
順天堂大学 133(131) 131(130) 98.5(99.2)
昭和大学 134(123) 123(116) 91.8(94.3)
帝京大学 123(115) 111(109) 90.2(94.8)
東京医科大学 128(123) 120(117) 93.8(95.1)
東京慈恵会医科大学 106(103) 102(100) 96.2(97.1)
東京女子医科大学 123(112) 113(106) 91.9(94.6)
東邦大学 115(109) 104(102) 90.4(93.6)
日本大学 128(119) 107(100) 83.6(84.0)
日本医科大学 128(120) 123(118) 96.1(98.3)
北里大学 125(115) 119(111) 95.2(96.5)
東海大学 118(111) 109(108) 92.4(97.3)
聖マリアンナ医科大学 115(104) 104(95) 90.4(91.3)
金沢医科大学 112(102) 95(88) 84.8(86.3)
愛知医科大学 115(110) 105(103) 91.3(93.6)
藤田医科大学 114(111) 108(107) 94.7(96.4)
大阪医科薬科大学 112(109) 107(105) 95.5(96.3)
関西医科大学 125(109) 117(106) 93.6(97.2)
近畿大学 97(86) 85(77) 87.6(89.5)
兵庫医科大学 100(99) 97(96) 97.0(97.0)
川崎医科大学 109(91) 104(89) 95.4(97.8)
久留米大学 125(103) 113(97) 90.4(94.2)
福岡大学 112(101) 91(85) 81.3(84.2)
産業医科大学 101(95) 95(89) 94.1(93.7)
東北医科薬科大学 104(96) 95(89) 91.3(92.7)
国際医療福祉大学 126(126) 124(124) 98.4(98.4)
総合計 3672(3420) 3397(3237) 92.5(94.6)

 

男女別合格者等の推移

回 数 総 数 男 性 女 性 男女別合格率 (%)
男 性 女 性
第120回
(令和8年)
受験者数 (人)
男女比 (%)
9,980 6,290
(64.0)
3,690
(36.0)
91.1 92.4
合格者数 (人)
男女比 (%)
9,139 5,729
(63.7)
3,410
(36.3)
第119回
(令和7年)
受験者数 (人)
男女比 (%)
10,282 6,584
(64.0)
3,698
(36.0)
91.8 93.1
合格者数 (人)
男女比 (%)
9,486 6,044
(63.7)
3,442
(36.3)
第118回
(令和6年)
受験者数 (人)
男女比 (%)
10,336 6,804
(65.8)
3,532
(34.2)
91.7 93.6
合格者数 (人)
男女比 (%)
9,547 6,240
(65.4)
3,307
(34.6)
第117回
(令和5年)
受験者数 (人)
男女比 (%)
10,293 6,785
(65.9)
3,508
(34.1)
91.0 93.0
合格者数 (人)
男女比 (%)
9,432 6,171
(65.4)
3,261
(34.6)
第116回
(令和4年)
受験者数 (人)
男女比 (%)
10,061 6,732
(66.9)
3,329
(33.1)
90.8 93.4
合格者数 (人)
男女比 (%)
9,222 6,112
(66.3)
3,110
(33.7)
第115回
(令和3年)
受験者数 (人)
男女比 (%)
9,910 6,656
(67.2)
3,254
(32.8)
90.4 93.4
合格者数 (人)
男女比 (%)
9,058 6,019
(66.4)
3,039
(33.6)
第114回
(令和2年)
受験者数 (人)
男女比 (%)
10,140 6,806
(67.1)
3,334
(32.9)
91.2 94.0
合格者数 (人)
男女比 (%)
9,341 6,206
(66.4)
3,135
(33.6)

第120回 医師国家試験 正答値表

第119回医師国家試験の正答値表です。

 

試験を終えてSNSなどでの反響

合格発表直後からX(旧Twitter)ではさまざまな声が飛び交いました。
以下は実際の投稿を参考に再現したリアルな反響(匿名化・一部編集)です。主に以下の4つのテーマで分類しました。

合格率への驚きと試験の厳しさ

「91.6%って聞くと簡単そうだけど、既卒54.6%…これが現実の厳しさだよね。落ちた人は本当にキツイ」
@med_student_2026(3/16)

「新卒94.7%!去年より下がったけどまだ高い。でも全体で見ると『受かる人だけ受かる』システムの厳しさを再確認したわ」
@kyoto_med(3/17)

「北海道大学新卒100%おめでとう!でも全国平均91.6%で『みんな受かる』って雰囲気じゃなく、1人でも落ちたら大事件レベル。国試のプレッシャー半端ない」
@hokudai_med(3/18)

試験の難易度について

「今年の臨床実地問題、働き方改革関連がガチで難しかった…正答見て『あそこ落とした!』って後悔の嵐。難易度上がってる実感」
@q_assist_fan(3/17)

「腸閉塞の下剤禁忌問題とか、今年は『銀髪の禁忌』みたいな奇問もあったけど、全体的に『知ってるか知らないか』じゃなく応用力問われてた。難易度は前回並みか少し上?」
@dr_pass_120(3/19)

「必修160点以上って基準変わらずだけど、実際の難易度感じると『簡単になった』って声は少数派。むしろ『質重視』になってる気がする」
@medu4_official(3/20)

受験生の心情

「合格発表見て号泣…第120回やっと終わった!6年間の努力が報われてほんとに嬉しい。研修医生活がんばる!!🌸」
@new_doctor_2026(3/16)

「不合格でした…94.7%の波に乗り損ねて悔しい。でも既卒でも次こそ絶対に。1年リベンジしてやる!」
@retry_med(3/17)

「点数届いた瞬間、壁を乗り越えた実感で震えた。勝って泣こうぜ!!みんなお疲れ様、合格した人も落ちた人も本当におつかれ」
@vtuber_med(3/19)

試験制度への意見

「新卒94.7% vs 既卒54.6%の差が残酷すぎる…国試制度、もう少し既卒支援してほしい。1年で人生変わるのキツイ」
@nikkei_medical(3/21)

「合格率90%超え続けてるのにプレッシャー変わらないのはおかしい。CBT導入とか制度改革して、もっと臨床重視の試験にすべきでは?」
@reform_med(3/18)

「自治医科100%とか上位校の強さすごいけど、全体の合格率高すぎて『国試イコール医師』って幻想が生まれそう。もっと実務経験を重視した制度が欲しい」
@old_doctor(3/20)

まとめ

第120回医師国家試験は、全体合格率91.6%、新卒94.7%という高水準を維持しながらも、前回よりやや低下した結果となりました。大学別では自治医科大学が2年ぶりに100%へ返り咲き、上位校の強さが改めて際立ちました。一方で、既卒合格率は54.6%にとどまり、新卒との大きな差は今年も解消されていません。

つまり第120回は、「全体としては高合格率時代が続くが、その内実は決して甘くない」という回だったといえます。現役合格の流れに乗れるかどうか、大学ごとの教育力と受験生個々の仕上がりがより強く結果に表れた年でした。SNSでも、喜びと安堵、不合格の悔しさ、制度への問題提起まで、さまざまな声が噴出しました。数字の高さだけでは語れない、重みのある合格発表だったといえるでしょう。

著者プロフィール

東大医学部卒講師(現役医師)

略歴:

PMD医学部専門予備校およびCES医師国家試験予備校で講師として指導中。
医学教育・国試対策に関する豊富な実務経験をもとに監修・執筆を担当。