医学部生必読!進級対策で押さえるべきポイントと勉強法
医学部の進級対策について
過去問さえあれば余裕。そんな都市伝説を本気にしていませんか?
CES講師のなつです。ええ、そんなのは都市伝説です。
皆様は科学者の卵なのです。そんな噂に騙されてはいけませんよ。
今までその噂を本気にして留年した人間を僕は何人も知っています。かくいう僕もその一人です。皆さんは過去問だけでノー再試で合格できるほど、要領がいいのでしょうか。
でも、そんなことを言われても、実際のところどんな風に勉強していいのか分からない。
そんな人は案外多いかもしれません。
という事で、今回は各学年で何を目標に、どんな勉強をすればよいのか。
それを簡単にですが紹介していきたいと思います。
専門科目の勉強法を練習しよう
前回のリメディアルの記事でも述べましたが、大学では課外活動に多く励めるイメージがあると思いますが、はっきり言って医学部はそうはいきません。厳密なスケジューリングを行った上で課外活動に励まないと留年します。
特に重要なのは専門科目。教養科目こそある程度過去問などの事前情報があれば進級は何とかなる事も多いかもしれませんが、専門科目ばかりはそうは行きません。
専門科目はしっかり授業を受け、授業の内容を元にまとめノートを作り、友達とその内容をよく吟味して、場合によっては先生に質問する必要性があります。過去問はあくまでも大きなヤマを把握する為のチェックリストだと思ってください。
それと、先生が「ここは出さない」と授業で言っていたところも一応はチェックしておくくらいのマインドで勉強はちょうどいいです。大学の先生たちはよく自分たちの言った事を忘れます。信じていいのは教科書とレジュメの内容くらいです。その感覚を身に着けるのが一年生。そう思ってもらえれば幸いです。
この学年では一切の娯楽を捨てよ
2年生は基本的に遊ぶ暇はないと思ってください。要領がよくない人は、部活は休部もしくは週一までと決め、全力で勉強に打ち込みましょう。可能であれば、娯楽は一つまでと決めてください。そうでなくては、簡単に留年します。
授業を休んでいる暇はありません。なので、日頃から体調を崩さない為のセルフケアが重要になります。よく寝て、程々に食べて、時折休息を入れながら勉強に励みましょう。
特に解剖学実習がある大学が多いと思いますので、その疲労対策をよく考えてください。立ちっぱなしで足がパンパンになりますから、マッサージやストレッチは欠かせないです。
また勉強するときは、択一式の試験でも可能な限り記述式の試験があるものとして対策をした方が良いです。その理由としては、どこかの誰かが教授の機嫌を損ねていきなり択一式の問題が記述に変わった、などの話が全国どこの大学でもあるからです。
2年生は色んな地雷が埋まっています。この地雷原を切り抜けるには、最終的に正しい方向性の勉強と、自分の方向性を周囲の人間に確認し続ける事。それが重要になります。
スケジューリングに気を付けて勉強しよう
2年を乗り越えれば、3年は少し余裕が出ると思います。その要領は基本的に2年生と同じだからです。
臨床科目の講義も始まるでしょうが、2年生の勉強内容をきっちりと抑える事が出来ていればそこはある程度楽に過ごせるのではないかと思います。
もし課外活動に打ち込むのであればこのタイミングでしょう。しかし、それも大学の試験勉強を十分にできる事が前提になる為、よくスケジュールと体力を考えてトライしましょう。
また一部の大学ではCBTがある事だと思います。CBTがある大学は、次項の4年生の項を参照に勉強されると良いでしょう。
学内試験とCBTの勉強を両立する
医学科では2年生と並び、4年生も鬼門です。その理由としては、学内の試験に加えて、CBTの勉強も別途やらなくてはならないからです。
CBTの勉強法に関しては語るところが沢山ありますが、ざっくりと認識して欲しいのは臨床科目が最優先だという事と、過去問ばかりでは点数が伸びにくいという事、そして4年生で学ぶ臨床科目はCBT対策の一環として認識し、よく勉強をしておくと二度手間になりにくいという事です。
CBT問題集を解くことも大切ですが、問題集も1周するのに膨大な時間が掛かります。可能であれば、暇があればCBTの問題集を解く。これくらいのマインドで丁度いいでしょう。
国家試験も似たような勉強スケジュールになります。ここでそのスケジュール感覚を身に着けておくと6年生が少し楽になるでしょう。上手く両立していきましょう。
学生実習は観光と違う事を認識する
学生実習は気を付けないと観光のように何となく現場をぼんやりと見学をして、その意味が分からないまま実習が終わるという事態になりかねません。
なので、実習で何かを見に行く時には先生たちが何を考え、どうしてそのような診療になったのか、その意味をよく考える事が重要です。“可能であれば” 先生にどんどん質問をするといいでしょう。外科であれば積極的に手術に参加してください。
座学に関しては、知識が落ちない程度に適宜復習をしておきましょう。この実習中の姿勢が、初期研修が始まってからの姿勢に繋がってきます。
最後まで気を緩めず、皆と同じ事をやり続けよう
4年生の応用編です。実習・座学などの合間に、如何に国試の勉強をやるか?
そのノウハウは色々な人が、色々な記事を残している事だと思いますが、一つだけ共通して言える事があります。
それは、周りの人たちの進捗をよく確認しながら、周りの人たちがやっている事・やっていない事をしっかりと認識する事。その“周りの人たち”のサンプルサイズは可能な限り大きい方がいいです。
そして何よりも、試験が終わるその瞬間まで諦めずに手を動かし続ける事。この二つのマインドが、国家試験では重要です。国家試験はマラソンです。その感覚を持って、長い道を走り切りましょう。
またマッチングや卒業試験に関しても、各々対策を忘れないようにしましょう。マッチングは会社就職を参考に、卒業試験は国試の勉強をベースにしながら過去問・情報でプラスアルファしていくようなやり方が良いのではないかと思います。
まとめ
医学科において、各学年でどのような点に注目をして医学を勉強していけば良いのか解説いたしました。
1~6年生に共通して言えるのは、「過去問だけで何とかなる」「再試験で合格すれば大丈夫」と言った甘いマインドを早々に捨て去り、ちゃんと一回で合格するように勉強をする事、その勉強の上で一番重要なのは、基本的には厳密なスケジューリングで、自分の能力に見合ったスケジューリングが出来ているかどうかが留年回避のコツになります。
各学年、それぞれ注意すべきイベントはありますが、基本的な勉強のスタイルが確立できていれば、ある程度淡々と進級をしていくことはできるだろう、と思います。
勉強の仕方が分からない、どのように勉強を進めていいのか分からない学生さんたちは、是非CES医師国試予備校までご相談ください。僕を含めた講師一同が、皆様の勉強のサポートをさせていただきます!
それでは、今回はこの辺で。
CES医師国試予備校 講師
市中病院勤務の脳神経内科医。趣味は釣りと小説と東洋医学。臨床をこなしながら、CES医師国試予備校で講師として「アウトプットする授業」をモットーとして学生の指導に当たっている。