海外医学部の生理学・生化学が難しいと感じたら|仕組みを理解して説明する勉強法
生理学・生化学の学習では、用語や経路を覚えることに加え、「何のために働くか」「何が変化すると何が起こるか」を説明する練習が大切です。全体像をつかみ、因果関係を図にしてから、英語の用語と試験形式へつなげましょう。
この記事のポイント
- 暗記が増えるときは、知識どうしのつながりを点検します
- 一つの単元を「目的・場所・入力・変化・条件」の五つの問いで整理します
- 代謝経路は全体図と重点部分を分けて学びます
- カリキュラム上も生化学が生理学の前提になる例を紹介します
暗記が増えるときは、知識のつながりを点検
一つずつの単語は見覚えがあるのに、複数の概念をつなぐ質問には答えられない。その場合は、覚えた量より関係の理解を確認します。生理学では体の働きや調節、生化学では分子や反応のつながりを、授業の目標に沿って整理しましょう。
同じテーマが複数の科目に現れる場合、別々の暗記項目にせず、どの段階を扱っているかを対応させます。生理学の説明に出てくる分子を生化学の図で確認するなど、科目間を往復する学習が考えられます。
一つの単元を五つの問いで整理
| 問い | 整理する内容 | 学習上の注意 |
|---|---|---|
| 何をする仕組みか | 目的と全体像 | 細部から先に入らない |
| どこで起こるか | 臓器・細胞・細胞内の区画 | 異なる場所を混同しない |
| 何が入力されるか | 物質・刺激・条件 | 図の出発点を確認 |
| 何が変わるか | 反応・調節・結果 | 矢印の意味を言葉にする |
| 条件が変わるとどうなるか | 方向と理由 | 適用する条件を明示 |
この五つは試験の模範解答ではなく、理解を点検するための枠組みです。指定教材が求める詳細は別途確認し、単純化した図だけで学習を終えないようにしてください。
代謝経路は全体図と重点部分を分ける
生化学の経路では、まず出発物質、主な生成物、場所、経路の役割を整理します。その後に、大学の指定範囲に沿って、重要な酵素や補酵素、調節の位置を加えます。最初からすべての中間体を同じ重さで覚えようとすると、経路の意味を見失いやすくなります。
白紙に大きな流れを描き、説明できない矢印に印を付けましょう。「変化するから」だけで済ませず、何が何へ変わるか、どの条件や調節が関係するかを指定教材で確かめます。経路の細部は、大学の試験範囲に従って追加してください。
生理学と生化学をつなぐ学習例
カリキュラムの構成を見ても、二つの科目はつながっています。例えばセメルワイス大学医学部英語課程の2026/2027年度カリキュラムでは、3学期目のMedical Physiology Iの前提科目として、Medical Biochemistry I、Medical Biophysics II、Macroscopic Anatomy and Embryology IIが指定されています。[2]
具体的なテーマとして、血糖とインスリンの関係を学ぶ場面を考えます。米国NIDDKは、インスリンを膵臓で作られるホルモンで、グルコースが細胞に入りエネルギーとして使われるのを助けるものと説明しています。[1]ここを出発点に、授業が扱う分泌、作用、代謝の各段階を学びます。
| 学習の視点 | 自分で作る問いの例 |
|---|---|
| 生理学の視点 | 何を調節する仕組みで、どの条件が関係するか |
| 生化学の視点 | 指定範囲では、どの反応・経路を扱っているか |
| 共通の図 | 分泌から作用までのどの段階を説明しているか |
| 英語の説明 | 各段階を正確な専門用語で述べられるか |
これは学習の組み立て方の例です。血糖調節には複数の臓器やホルモンが関係するため、一つの説明をすべての条件へ一般化しないでください。詳細は大学の指定教材と照合します。日本の医師国家試験の視点でインスリンと糖尿病を整理した記事として、【CES医師国試たとえシリーズ⑤】糖尿病を「インスリンの鍵と鍵穴」で攻略も参考になります。
「増える・減る」の結論だけを覚えない
条件が変わったときの結果を覚える際は、「どの変数が変化したか」「どのつながりを通るか」「どの条件で成り立つか」を一緒に説明します。グラフがある場合は、横軸と縦軸、単位、実験条件を先に確認しましょう。
説明できなかったら、答えだけを追記するのではなく、原因から結果までを短い文に直します。例外や複数の作用がある範囲では、単純な一方向の図では足りないこともあります。授業で使われた条件を保ったまま復習してください。
英語の試験へつなげる確認方法
- 日本語でもよいので、図を使って仕組みを説明する
- 図中の用語を指定教材の英語と対応させる
- 資料を閉じ、主要な関係を英語の短文で説明する
- 問い方を変え、理由や比較を尋ねてもらう
- 説明が崩れた箇所を教材へ戻って修正する
毎回すべての経路を読み直すのではなく、理解が弱かった関係を記録し、後日違う問いで確認します。生理学と生化学のどちらの知識が足りないか分からないときは、実際に止まった箇所を教員や指導者に見てもらいましょう。
会話で確認する学習のポイント
学生:経路は書けますが、なぜそうなるか聞かれると困ります。
講師:矢印ごとの意味と、どの条件でその経路が働くかを説明してみましょう。図を再現できることと、関係を理解していることを分けて確認します。
学習・準備の進め方
- 単元の目的と場所を確認
- 主要な関係を図にする
- 条件を変えて理由を説明
- 英語の用語と試験形式へ接続
よくある質問
暗記をしなくてもよいということですか?
用語や必要な知識の記憶は必要です。記憶した項目を、目的・場所・因果関係と結び付けることを提案しています。
生理学と生化学のどちらを先に学ぶべきですか?
大学の履修順序と、今つまずいている内容によります。カリキュラムの前提科目を確認し、関連する単元を行き来して整理しましょう。
動画を見れば理解できますか?
説明を見ることと、自分で取り出せることは別に確認が必要です。視聴後に図を描き、理由を説明して理解度を確かめましょう。
確認問題
「条件が変わると結果が増える」と覚えた後、追加で何を確認しますか?
解答を確認する
どの条件で、どの因果関係を通じて増えるのかを説明できるか確認します。
まとめ
生理学・生化学は、全体像と細部を往復し、仕組みを説明する練習で理解の穴を見つけましょう。英語の用語を覚える段階と、関係を自分で説明する段階を両方設けることが大切です。
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参考・確認先
- 米国NIDDK:What Is Diabetes?(インスリンとグルコースの基本説明)
- セメルワイス大学:医学部英語課程 2026/2027年度カリキュラム(PDF)
- CES医師国試予備校:海外医学部進級対策コース
情報確認日:2026年10月20日。大学の規則は年度・学部・課程で異なり、変更されることがあります。本文の学習例・確認表はCESによる学習方法の提案であり、大学公式の基準ではありません。最新の条件は所属先の案内で確認してください。
執筆・編集:CES医師国試予備校 講師チーム
監修:岩崎 陽一(株式会社アクト 代表取締役)
医学部・医療系国家試験の指導に30年以上携わり、CES医師国試予備校をはじめとするアクトの各予備校を統括。
最終更新日:2026年10月20日
